解雇から入団まで、1週間かからなかった。ロビンソン・カノーがニューヨーク・メッツに解雇されたのは、5月8日。サンディエゴ・パドレスに入団したのは、5月13日だ。

 その前の経緯については、「4000万ドル以上の契約が残るカノーを外す以外に、メッツの選択肢はなかったのか」で書いた。また、カノーに興味を示したのは、パドレスだけではなかったようだ。Con Las Bases Llenasのラウル・ラモスによると、ボルティモア・オリオールズは、数日前にカノーの代理人を務めるブロディ・バン・ワゲネンと話したらしい。

 パドレスの二塁は、ジェイク・クローネンワースが守っている。カノーと同じ左打者で、39歳のカノーよりも11歳若い。今シーズンは、メジャーリーグ3年目。過去2シーズンはOPS.800以上を記録し、昨シーズンは21本のホームランを打ったが、今シーズンのOPSは.700に届いていない。

 遊撃を守っているハソン・キムも、あまり打てておらず、二遊間コンビのバリエーションを増やすのが、パドレスの狙いではないだろうか。カノーは遊撃を守れないが、クローネンワースは遊撃もこなす。カノーが加わることで、二遊間コンビは、クローネンワース&キムだけでなく、カノー&キムとカノー&クローネンワースの3パターンとなる。

 それまでは、3人目のミドル・インフィルダーとして、4月8日にデビューしたC.J.エイブラムスが、二塁と遊撃(とライト)を守っていた。エイブラムスは、2019年のドラフト全体6位。トップ・プロスペクトだ。だが、クローネンワースとキム以上に打てず、5月10日にAAAへ降格となった。

 さらに遡れば、開幕からフェルナンド・タティースJr.が欠場していることが、カノーを迎え入れる遠因となった気がする。タティースJr.が遊撃を守り、昨シーズンまでのように打っていれば、クローネンワースの調子が今ひとつでも、カノーと契約を交わすことはなかったかもしれない。過去3シーズンとも、タティースJr.のOPSは.935を超え、昨シーズンはリーグ最多の42本塁打を記録した。

 カノーは、代打やDHとしても起用されるだろう。DHのルーク・ボイトは、四球率こそ19.0%(5月12日時点)と極めて高いものの、打率が低いだけでなく、肝心のパワーを発揮できていない。

 ただ、早ければ、タティースJr.は6月中に復帰する。その時点でカノーが不振なら、再び解雇となっても、まったくおかしくない。

 なお、カノーの背番号は、メッツ時代と同じ「24」だ。一塁コーチのデビッド・マシアスは、カノーに「24」を譲り、「46」に変更した。