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三遊間コンビに球団が申し出た契約は、どちらも希望額より1億ドル少ない!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
ラファエル・デバース(左)とザンダー・ボガーツ Oct 11, 2021(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 25歳の三塁手、ラファエル・デバース(ボストン・レッドソックス)は、来シーズンの終了後にFAとなる。ESPNのジェフ・パッサンは、4月13日にWEEIの「ザ・グレッグ・ヒル・ショー」に出演し、レッドソックスは2億ドル以上の延長契約を申し出たが、デバースが望んでいるのは3億ドル以上の契約、と語った。

 デバースと三遊間コンビを組んでいる、29歳のザンダー・ボガーツ(レッドソックス)は、6年1億2000万ドルの契約3年目を迎えたところだ。ただ、この契約は、今シーズンの終了後にオプト・アウトする――選手が途中で打ち切ってFAになる――ことができる。その時点の残りは、3年6000万ドルだ。こちらについては、ニューヨーク・ポストのジョン・ヘイマンが、4月13日の記事で、レッドソックスは4年9000万ドル前後の延長契約を提示していて、ボガーツの希望額とは約1億ドルの開きがある、と報じている。

 過去3シーズンのOPSは、デバースが.886、ボガーツは.899。あまり変わらない。年齢はデバースのほうが若いが、それぞれのポジションは三塁と遊撃だ。

 レッドソックスは、デバースに対し、金額を上積みした契約を申し出るかもしれない。けれども、ボガーツにはそうしないだろう。

 先月、レッドソックスは、トレバー・ストーリーと6年1億4000万ドルの契約を交わした。ストーリーは、ボガーツと同じ29歳。今シーズンは二塁手としてプレーしているが、昨シーズンまではコロラド・ロッキーズで遊撃を守っていた。

 ボガーツがオプト・アウトした場合、来シーズンの遊撃には、ストーリーが入るはずだ。そうなると、二塁手が必要になるが、FA市場から誰かを迎え入れるにしても、遊撃手と比べれば、一般的に安く手に入れられる。また、レッドソックスは、ボガーツが打ち切った契約の残り分を、デバースを引き留めるための費用に回すこともできる。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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