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坂本勇人が今年塗り替えそうな球団記録。上にいるのは3人。3位が川上哲治、2位が長嶋茂雄、1位は王貞治

宇根夏樹ベースボール・ライター
坂本勇人(読売ジャイアンツ)Mar 17, 2019(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 昨年、坂本勇人(読売ジャイアンツ)は、日本プロ野球史上14人目の400二塁打に到達した。現時点の通算二塁打は402本。歴代14位に位置し、トップの立浪和義とは85本の差がある。これは、1シーズンで届く本数ではなく、2シーズンでも難しい。二塁打のシーズン最多は、2001年に谷佳知が記録した52本だ。連続する2シーズンに計85本以上は、2002~03年の福浦和也(40本+50本=90本)、2003~04年の福浦(50本+42本=92本)、2005~06年の福留孝介(39本+47本=86本)、2009~10年の森野将彦(42本+45本=87本)しかいない。

 ただ、今年、坂本は二塁打の球団記録を塗り替えそうだ。読売の最多は王貞治の422本なので、その差は20本。2008年から2021年まで、坂本は14年続けて21本以上の二塁打を打っている。そのうち、25本未満は2008年(24本)と2015年(21本)だけ。昨年は26本だった。

 坂本と王の間、球団3位と2位に位置するのは、408本の川上哲治と418本の長嶋茂雄だ。1シーズンに、この3人を一気に追い越すというのは、とてつもないことに思える。ちなみに、坂本に次ぐ球団5位は、355本の阿部慎之助だ。

筆者作成
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 なお、坂本に続く、日本プロ野球史上15人目の400二塁打に最も近い現役選手は、381本の栗山巧(埼玉西武ライオンズ)だ。こちらは、すでに球団最多。2018年に308本(通算314本)の石毛宏典を抜き、チームメイトの中村剛也には50本以上の差をつけている。もっとも、昨年、栗山の二塁打は15本だった。30本以上のシーズンは5度あり、2019~20年は20本以上ながら、今年中にあと19本を積み上げ、400本の大台に到達できるかどうかは、微妙なところだ。

 今年達成されそうな記録については、こちらでも書いた。

「今年達成が期待される「打者の金字塔」。福留孝介は2000安打まで49本。中村剛也は三振の歴代トップへ」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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