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通算2000安打の54人中、安打の40%以上が長打は3人、80%以上が単打は2人

宇根夏樹ベースボール・ライター
小久保裕紀(左)と王貞治 MARCH 15, 2017(写真:アフロスポーツ)

 通算2000安打以上の54人のうち、王貞治清原和博小久保裕紀の3人は、安打の40%以上を長打が占める。それぞれの数値は、47.2%、41.6%、40.1%。言い方を変えると、単打は安打の60%未満ということだ。

筆者作成
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 王と清原は、安打に占めるホームランの割合、31.2%と24.7%も、54人のトップ2に位置する。小久保のホームランは、安打の20.2%だ。こちらも上から9番目なので、順位は高いが、割合は二塁打の18.7%と1.5%しか違わない。王の二塁打は安打の15.1%、清原は16.3%だ。ホームランと比べると、かなり低い。

 一方、安打の80%以上が単打という選手もいる。荒木雅博が83.6%、宮本慎也は83.1%だ。この2人は、安打に占めるホームランの割合も、1.7%と2.9%と低い。3%未満の選手は、他にいない。

筆者作成
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 通算1500安打以上の現役選手12人のなかにも、こういったタイプは、どちらもいる。長打の割合が高いのは、中村剛也(埼玉西武ライオンズ)だ。現時点の47.3%は、わずかながら王を上回る。安打にホームランが占める割合も、王には及ばないものの、清原より上の26.9%だ。

 大島洋平(中日ドラゴンズ)と坂口智隆(東京ヤクルト・スワローズ)は、単打の割合が高く、80%を超える。また、この2人は、ホームランの割合だけでなく、二塁打の割合も低く、どちらも12.6%(僅差で坂口のほうが低い)。通算2000安打の54人のなかで、安打に占める二塁打の割合が彼らよりも低い選手は、こちらも12.6%の土井正博しかいない。もっとも、土井の場合、パワーがなかったわけではなく、むしろ、パワーのある打者だった。安打に占めるホームランの割合は19.0%。54人中13番目に高い。1971年は40本のホームランを打ち、通算では465本塁打を記録している。

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 なお、福留孝介(中日)は、日本プロ野球で打った安打の20.9%が二塁打だ。通算2000安打以上の選手では最も高い、稲葉篤紀の19.8%を凌ぐ。ちなみに、歴代最多の487二塁打を記録した立浪和義は、安打の19.6%が二塁打だった。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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