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ベッカムが引退。14年前のドラフト全体8位。同じ年の全体1位だったベッカムは…

宇根夏樹ベースボール・ライター
ゴードン・ベッカム Feb 20, 2020(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ゴードン・ベッカムが、ツイッターで引退を表明した。

 ラストネームが「Beckham(ベッカム)」のメジャーリーガーは、ベースボール・リファレンスによると、2人しかいない。これは、MLB(メジャーリーグ・ベースボール)でプレーした選手の人数だ。MLS(メジャーリーグ・サッカー)でプレーした、デビッド・ベッカムは含んでいない。

 ゴードン・ベッカムとティム・ベッカムは、どちらも、2008年のドラフトで1巡目に指名された。全体8位(シカゴ・ホワイトソックス)と全体1位(タンパベイ・レイズ)だ。彼らは、兄弟や親戚ではない。当時のゴードンは大学生、ティムは高校生という違いはあったものの、ジョージア州出身、右打者、遊撃手の3点は共通していた。2009年の開幕前のプロスペクト・ランキングで、ベースボール・アメリカは、2人を20位と28位に挙げた。ベースボール・プロスペクタスの順位は、28位と15位だった。

 ともに、ブレイクを予感させるシーズンはあった。ドラフトの1年後、2009年6月にメジャーデビューしたゴードンは、三塁を守り、103試合で14本のホームランを打ち、OPS.808を記録した。ティムは、メジャーリーグ4年目の2017年に、レイズとボルティモア・オリオールズでプレーし、137試合で22本塁打、OPS.782。この時点の年齢は、27歳だった。

 ただ、通算成績は、出場1069試合のゴードンが、打率.237と出塁率.300、80本塁打、OPS.667。出場472試合のティムは、打率.249と出塁率.302、63本塁打、OPS.733。メジャーリーグでプレーしたのは、2人とも、2019年が最後だ。その後のゴードンは、2020年に2球団とマイナーリーグ契約を交わしたのみ。ティムは、2021年にホワイトソックスのAAAで45試合に出場し、11本のホームランを打った。現在はFAだ。おそらく、メジャーリーグ契約を得ることはできないだろう。

ティム・ベッカム Jun 26, 2019
ティム・ベッカム Jun 26, 2019写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 なお、14年前のドラフトで、彼らの間に指名された6人のなかには、エリック・ホズマー(サンディエゴ・パドレス)やバスター・ポージーがいる。こちらは、全体3位(カンザスシティ・ロイヤルズ)と全体5位(サンフランシスコ・ジャイアンツ)だ。ポージーも、今オフに引退を表明している(「バスター・ポージーは殿堂入りするのか。ジャイアンツの名捕手が34歳で引退」)。

 また、ラストネームではなく、メジャーリーガーになるにしてもかなり先のことだが、マイク・トラウト(ロサンゼルス・エンジェルス)の息子は、ベッカムだ。フルネームは、ベッカム・アーロン・トラウト。2年前の夏に生まれた(「生まれたばかりのトラウトの息子に対し、投手はすでに戦々恐々!?」)。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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