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殿堂入りしたものの、オティーズの得票率は低め。記者選出の130人中105位

宇根夏樹ベースボール・ライター
P.マルティネス(左)とD.オティーズ(中)January 25, 2022(写真:ロイター/アフロ)

 デビッド・オティーズの殿堂入りが決まった。ただ、得票率は77.9%。そう高くなかった。ベースボール・リファレンスによると、記者投票によって選出された――75%以上の票を得た――130人中、オティーズの得票率は105位に位置する。下から数えて26番目だ。

 キャリアのほとんどをDHとして過ごしたとはいえ、PED(パフォーマンス向上薬)の使用――精度に疑問符がつく検査で陽性反応――がなければ、得票率はもっと高かったのではないかと思われる。

 ちなみに、得票率の歴代トップ3は、100.0%のマリアーノ・リベラ、99.7%のデレク・ジーター、99.3%のケン・グリフィーJr.だ。オティーズと同じく、この3人も最初の投票で殿堂入りしている。最初の投票は得票率75%未満に終わった選手のうち、最も高い得票率で殿堂に迎えられたのは、ブラディミール・ゲレーロだ。1度目は71.7%、2度目は92.9%だった。

 もっとも、たとえ、得票率が他の殿堂選手より低くても、75%以上であることに変わりはない。極めて高かった場合を除き、後々、得票率が話題になることは、ほとんどない。

 今年の候補30人のうち、3分の1以上の11人は得票率5%に届かず、次回の候補から外れた。今回が2度目だったティム・ハドソン以外の10人は、最初の投票だ。ハドソンの得票率は、前回の5.2%から3.0%に下がった。カール・クロフォードジェイク・ポービーの2人は、1票も得られなかった。また、メジャーリーグで10年以上にわたってプレーしても、大半の選手は、候補に挙がることすらない。

 なお、次回、初めて候補になる選手には、カルロス・ベルトランフランシスコ・ロドリゲスがいる。ベルトランの場合、2017年にヒューストン・アストロズでプレーし、サイン盗みに関わったことが、影響しそうな気がする。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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