デビッド・オティーズは殿堂に迎えられ、バリー・ボンズはそうならなかった。それぞれの得票率は77.9%と66.0%、得票数は307と260だ。今回の場合、殿堂入りとなる得票率75%には、394人中296人の票が必要だった。

 オティーズの殿堂入りに異議を唱える気はないが、ボンズが殿堂入りしないのは、おかしいと思う。どちらも、PED(パフォーマンス向上薬)に関わりがある。2人とも、それによる罰則は科されていない。オティーズが殿堂入りするならボンズも、あるいは、ボンズが殿堂入りしないならオティーズも、とすべきではないだろうか。

 ボンズの762本塁打とMVP7度は、どの選手よりも多い。4度以上の受賞は、他に皆無だ。この点を別にしても、ボンズは500-500を記録し、ゴールドグラブに8度選ばれている。500-500はボンズだけ。400-400もいない。ゴールドグラブの受賞回数も、レフトを定位置とした選手では最多だ。アレックス・ゴードンと並ぶ。算出方法が難解なスタッツを持ち出さなくても、殿堂入りするには、十分な実績だ。

 ボンズは、試合中にダグアウトでチームメイトのジェフ・ケントと揉めたことがある。オティーズのそんな場面は記憶にない――ブルペン直通の電話をバットで叩き壊したことはある――が、殿堂選手のレジー・ジャクソンは、監督のビリー・マーティンと試合中に揉めた。オティーズと同じように、レジーは最初の記者投票で殿堂入りしている。得票率は93.6%に達した。

 オティーズが殿堂入りしたことで、薬物に関わりのある他の選手にも門戸が開かれ、次の投票ではボンズも……とはならない。ボンズが候補になるのは、今回が10度目。現行のルールにおいて、11度目はない。今後は、1988年以降の選手や関係者を対象としたトゥディズ・ゲーム・エラ(委員会)により、選出されるかどうかだ。

 なお、ボンズだけでなく、ロジャー・クレメンスについても、同じことが言える。こちらも、今回の投票が10度目。ボンズより3票少なく、得票率は65.2%だった。

 ちなみに、ケントは9度目。薬物に関わりはない。今回の得票率は自己最高――ボンズとクレメンスもそうだった――ながら、32.7%に終わった。10度目の投票で、得票率が倍以上に上がるとは考えにくい。