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「NPB先発投手ランキング2019-21」。直近3年に「最高の投手」だったのは誰!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
山本由伸 AUGUST 4, 2021(写真:西村尚己/アフロスポーツ)

 直近の3シーズン、2019~21年の防御率と奪三振のトップ3には、同じ投手が並ぶ。防御率は、山本由伸(オリックス・バファローズ)、大野雄大(中日ドラゴンズ)、千賀滉大(福岡ソフトバンク・ホークス)。奪三振は、山本、千賀、大野の順だ。山本と千賀の2人は、最多の34勝も挙げている。

 防御率などは、300イニング以上の27人を対象とした。これは、各シーズンの規定投球回を合計した406イニング(143+120+143)の約4分の3だ。

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 山本の防御率1.79は、27人のなかで飛び抜けて低い。それだけではなく、WHIP0.91と被本塁打率0.41もトップ。奪三振率9.36とK/BB4.27は3位に位置し、463.1イニングも3番目に多い。与四球率2.19はトップ3に入っていないが、それでも10位だ。数値も低い。

 また、勝利は、投手を評価する指標として必ずしも有効ではないものの、オリックスが過去3年に挙げた176勝は、北海道日本ハム・ファイターズと東京ヤクルト・スワローズの173勝に次いで少ない。一方、福岡ソフトバンクの209勝は、どの球団よりも多かった。

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 大野と千賀を比べると、防御率は2.45と2.56なのでほとんど変わらないが、他のスタッツはかなり異なる。例えば、千賀は10.87の奪三振率のみならず、与四球率も3.71と高く、こちらはワースト4位に位置する。それに対し、大野は奪三振率8.09が9位、与四球率1.76は2位。それぞれのK/BBは、2.93(17位)と4.59(1位)だ。しかも、大野の469.2イニングはこのスパンで最も多く、山本との差は6.1イニングながら、千賀とは80イニング以上の開きがある。

 この9部門ともトップ10にランクインしているのは、山本と大野だけだ。7部門以上で10位以内は、千賀の他に3人。菅野智之(読売ジャイアンツ)は被本塁打率0.99が19位、西勇輝(阪神タイガース)は奪三振率6.25とK/BB3.10が26位と15位、柳裕也(中日)は与四球率2.27とWHIP1.15が12位と11位だ。菅野の被本塁打率は1に満たず、柳は2部門とも10位とそう離れていない。

 各投手のスタッツは、以下のとおり。防御率の順に並べてある。

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 野手編は、こちら。

「NPB打撃ランキング2019-21。過去3年に100本塁打以上は2人。OPS1.000以上は1人だけ」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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