ロサンゼルス・エンジェルスは、FAとなっていたライセル・イグレシアスを4年5800万ドルで呼び戻した。今シーズン、65試合に登板したイグレシアスは、70.0イニングを投げ、防御率2.57を記録した。34セーブを挙げ、セーブ成功率は87.2%だった。

 一方、サンディエゴ・パドレスでクローザーを務め、両リーグ最多の39セーブを挙げたマーク・マランソンは、アリゾナ・ダイヤモンドバックスと2年1400万ドルの契約を交わした。こちらは、64登板で64.2イニングを投げ、防御率2.23。セーブ成功率は86.7%だ。

 ここ3シーズン(2019~21年)のスタッツは、イグレシアスが155登板で160.0イニング、防御率3.26、76セーブと成功率85.4%、マランソンは153登板で154.2イニング、防御率2.91、62セーブと成功率88.6%だ。今回の契約ほどの差はない。与四球率は2.14と2.91。奪三振率は12.54と8.20だが、イグレシアスはフライボーラー、マランソンはグラウンドボーラーだ。9イニング平均の被本塁打、1.35本と0.52本も、タイプの違いによるところが大きい。

 にもかかわらず、4年契約と2年契約。総額はもちろん、年平均額もかなりの差がある。イグレシアスは1450万ドル、マランソンは700万ドルだ。倍以上も違う。

 その最も大きな理由は、年齢だろう。イグレシアスが年明けに32歳となるのに対し、マランソンは開幕直前に37歳の誕生日を迎える。

 今からちょうど5年前、FA市場に出ていたマランソンは、4年6200万ドル(年平均1550万ドル)でサンフランシスコ・ジャイアンツに迎えられた。FA直前の2シーズンとも、45セーブ以上を挙げて成功率90%以上を記録しているので、単純には比べられないが、当時のマランソンは31歳。現在のイグレシアスと同じ年齢だった。

 クローザーに限らず、リリーフ投手の4年契約は長い。マランソンが4年6200万ドルの期間中に計37セーブしか挙げられなかったように、リスクはある。だが、エンジェルスの事情とFA市場の状況からすると、イグレシアスの契約は、過剰に高額ではないように思える。

 エンジェルスは、2014年を最後に遠ざかるポストシーズンに、来シーズンこそたどり着きたいと考えている。在籍している投手に、イグレシアスに代わるクローザーの有力な候補は見当たらない。また、年齢も考慮すれば、今オフのFA市場に出たクローザーのなかで、イグレシアスはトップの存在だった。ロサンゼルス・ドジャースからFAになったケンリー・ジャンセンは、イグレシアスより2年以上早く生まれている。来シーズンの年齢は34歳だ。

 ローテーションと違い、ブルペンの整備は順調に進んでいる。イグレシアスと再契約を交わす前に、エンジェルスは2年1700万ドルでエアロン・ループを手に入れた。それについては、こちらで書いた。

「エンジェルスが防御率0点台の救援投手と契約。これにより、クローザーのイグレシアスと再契約の可能性は…」