今月、広島東洋カープに入団したニック・ターリーは、2008年のドラフトでニューヨーク・ヤンキースから指名され、ロサンゼルスのハーバード-ウエストレイク高校からプロ入りした。

 ターリーと同じ高校出身の現役メジャーリーガーには、マックス・フリード(アトランタ・ブレーブス)とルーカス・ジオリト(シカゴ・ホワイトソックス)、ジャック・フラハティ(セントルイス・カーディナルス)がいる。この3投手は、いずれもドラフト1巡目。それぞれの順位は、2012年の全体7位と16位、2014年の34位だ。

 だが、同じ高校出身の投手ながら、ターリーの指名ラウンドと順位は、彼らとはかけ離れている。2008年の50巡目、1502位だ。この年のドラフトは、50巡目まで。ターリーの指名後に名前を呼ばれた選手は、2人しかいなかった。

 ベースボール・リファレンスで調べたところ、1300位以降に指名されてプロ入りし、その後、日本プロ野球でプレーした選手は、9人が見つかった。なお、1300位以降の指名で入団しなかった選手は、ここには含めていない。例えば、今年の日本シリーズで最後を締めくくったスコット・マクガフ(東京ヤクルト・スワローズ)は、ターリーと同じ2008年に、ピッツバーグ・パイレーツから1371位(46巡目)で指名されている。この時はオレゴン大学へ進み、2011年に164位(5巡目)でロサンゼルス・ドジャースに入団した。

筆者作成
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 9人中、ターリーよりも順位が低かったのは、1718位(1996年88巡目)のスコット・シーボルだけだ。この2人は、メジャーリーグと日本プロ野球でそれぞれ最初に在籍した球団、ヤンキースと広島東洋が、奇しくも共通する。シーボルは2006年に韓国プロ野球でもプレーし、ターリーは2016年に独立リーグでも投げた。

 1383位(1990年58巡目)のジェームス・ボニチと1343位(2000年45巡目)のブレット・ハーパー、1323位(2011年44巡目)のジョシュ・コラレスは、メジャーデビューしていない。2017年に東北楽天ゴールデンイーグルで1登板のコラレスは、その前に、社会人野球の三菱日立パワーシステムズ横浜(2015年)とルートインBCリーグの富山GRNサンダーバーズ(2016~17年)で投げた。

 1375位(1999年46巡目)のジェイソン・ボッツは、その前年に849位(28巡目)でボルティモア・オリオールズから指名され、グレンデール・コミュニティ・カレッジへ進学した。

 野手6人のうち、ハーパーは、2010年に横浜ベイスターズで64試合に出場し、19本塁打と出塁率.395を記録した。他に、日本プロ野球でシーズン二桁本塁打は、2008年に広島東洋で15本(110試合)のシーボルのみ。シーズン出塁率.340以上も、2010年のハーパー以外は、2018年に阪神タイガースで.342(66試合)のエフレン・ナバーロしかいない。投手3人は、合わせて11試合に投げただけだ。

 ここ2シーズンのターリーは、2020年がパイレーツで21.2イニングを投げて防御率4.98、2021年はメジャーリーグでの登板がなく、ホワイトソックス傘下のAAAで43.0イニングを投げて防御率5.02。それぞれの与四球率も、4.57と4.40と高い。もっとも、これまでの3投手と同じようになるとは限らない。奪三振率は、2020年が8.31、2021年は12.56。制球に難はあるものの、今シーズンは対戦した打者の約3分の1を三振に仕留めた。平均95マイル弱の4シームはスピンが効いていて、カーブは縦にも横にも大きく曲がる。

 ちなみに、ターリーに先駆けて広島東洋に入団した2人のドラフト順位は、ドリュー・アンダーソンが668位(2012年21巡目)、ライアン・マクブルームは444位(2014年15巡目)だ。