今年のワールドシリーズは、アトランタ・ブレーブスが優勝を飾り、MVPにはホルヘ・ソレーアが選ばれた。7月30日にトレードで加入するまで、ソレーアはカンザスシティ・ロイヤルズにいた。ワールドシリーズの前のリーグ・チャンピオンシップ・シリーズでMVPを受賞したエディ・ロザリオも、ソレーアと同じ日に、クリーブランド・インディアンズからブレーブスへ移ってきた。

 シーズンの途中まで他のチームにいた選手が、ポストシーズンのシリーズMVPを手にするのは、彼らが初めてではない。もっとも、その人数は多くない。ロザリオが10人目、ソレーアは11人目だ。それまでの9人中、7人はリーグ・チャンピオンシップ・シリーズのMVP。ワールドシリーズのMVPは、1969年のドン・クレンデノン(モントリオール・エクスポズ→ニューヨーク・メッツ)と2018年のスティーブ・ピアース(トロント・ブルージェイズ→ボストン・レッドソックス)しかいなかった。

 ワールドシリーズのMVPは、1955年に制定された。リーグ・チャンピオンシップ・シリーズのMVPは、ナ・リーグが1977年、ア・リーグは1980年からだ。1980年以降の受賞者は、今年を含めて延べ129人を数える。途中移籍の選手が占める割合は8.5%だ。昨年までは――3人中2人が途中移籍の今年を除くと――7.1%だった。

 その人数と割合からも想像できるとおり、同じ年のポストシーズンに、途中移籍の2人あるいは3人以上が、シリーズMVPに選ばれたことは、これまで一度もなかった。9人とも、受賞した年は違っていた。

 ディビジョン・シリーズにMVPはないが、今年、ブレーブスがミルウォーキー・ブルワーズを倒したシリーズのMVPを選ぶとすれば、最有力はジョク・ピーダーソンだろう。3対0で勝った第3戦の代打3ラン本塁打をはじめ、4試合で7打数3安打、2本塁打、5打点を記録した。第4戦以外は代打出場ながら、ホームランはチーム全体の半数。打点も41.7%(5/12)を占めた。ロザリオとソレーアと同じく、ピーダーソンも途中加入だ。彼らとアダム・デュボールの3人より半月早く、シカゴ・カブスから移籍した。

 ピーダーソン、ロザリオ、ソレーア、デュボールの4人は、今年のポストシーズンで、それぞれ3本のホームランを打った。その合計は12本。彼ら以外は、フレディ・フリーマンが5本、オースティン・ライリーダンズビー・スワンソントラビス・ダーノウが2本ずつなので、こちらは合計11本だ。また、途中加入の4人は、合わせて36打点を挙げた。開幕からブレーブスにいた選手は、合計28打点だった。

 ブレーブスが夏に4人を加えた経緯については、こちらで書いた。

「夏のトレードでこのチームが外野手を4人も獲得した理由。いずれもシーズン30本塁打以上の実績あり」