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パ・リーグの盗塁王4人の「盗塁成功率」には10%以上の差あり

宇根夏樹ベースボール・ライター
4人の盗塁王のうち、2人は千葉ロッテの選手(写真:kawamura_lucy/イメージマート)

 今シーズンのパ・リーグでは、4人が盗塁王のタイトルを分け合った。和田康士朗(千葉ロッテ・マリーンズ)、源田壮亮(埼玉西武ライオンズ)、荻野貴司(千葉ロッテ)、西川遥輝(北海道日本ハム・ファイターズ)が、いずれも24盗塁を記録した。3年ぶり4度目の西川以外は、初の盗塁王。36歳の荻野は、史上最高齢の盗塁王となった。それについては、昨年7月に書いた「現時点の二桁盗塁は、34歳の荻野貴司だけ。このままいけば史上何番目に「高年齢の盗塁王」が生まれる!?」に、30代で盗塁王を獲得した選手のリストを記した。

 盗塁数は4人とも同じながら、盗塁刺の回数は異なる。和田が5度、源田が9度、荻野と西川はリーグ最多の11度ずつだ。それぞれの盗塁成功率は、82.8%、72.7%、68.6%。和田と比べると、他の3人は10%以上も低い。

 また、千葉ロッテでは、和田と荻野の他にも、3人が二桁盗塁を記録した。中村奨吾が12盗塁、岡大海が11盗塁、藤岡裕大が10盗塁だ。チーム全体としては、二桁盗塁が5人という人数だけでなく、それ以外の選手も含めた計107盗塁も、リーグで最も多かった。

 盗塁王以外の3人も、盗塁成功率には差があり、岡は91.7%(盗塁刺1度)、藤岡も76.9%(盗塁刺3度)ながら、中村奨は63.2%(盗塁刺7度)だった。もっとも、チーム全体の盗塁成功率74.8%(盗塁刺36度)は、福岡ソフトバンク・ホークスの75.4%に次いで高かった。

 ちなみに、パ・リーグで二桁盗塁を記録した11人中、盗塁成功率が最も高かったのは、93.3%の牧原大成(福岡ソフトバンク)だ。14盗塁を記録し、盗塁刺は1度しかなかった。

 チームのリーグ最少は、45盗塁の東北楽天ゴールデンイーグルスだ。盗塁成功率も55.6%と低く、チームで盗塁の多かった3人は、いずれも盗塁と盗塁刺がほぼ半々。茂木栄五郎は6盗塁で盗塁刺が5度、辰己涼介はどちらも6度、小深田大翔はどちらも5度だった。

 なお、こちらでは、1シーズンに50盗塁以上を記録した選手の盗塁成功率について書いた。

「周東佑京の盗塁成功率89.3%は、シーズン50盗塁以上の80人中何位!?」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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