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連覇を阻んだチームはワールドシリーズで優勝しているのか。今年はブレーブスがドジャースを阻止

宇根夏樹ベースボール・ライター
AJ・ポロック(左)とフレディ・フリーマン Oct 23, 2021(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 21世紀初のワールドシリーズ連覇は、今年も実現しなかった。前年のワールドチャンピオンであるロサンゼルス・ドジャースは、ワールドシリーズの一歩手前、リーグ・チャンピオンシップ・シリーズで敗退した。

 1998~2000年のニューヨーク・ヤンキースを最後に、ワールドシリーズの連続優勝は途絶えている。2001年のヤンキースは、4連覇まであと2アウトに迫ったが、ワールドシリーズ第7戦の9回裏にサヨナラ負けを喫した。

 2001年のアリゾナ・ダイヤモンドバックスから昨年のドジャースまで、過去20年のワールドチャンピオンのうち、約半数の9チームは、その翌年もポストシーズンに進出した。裏を返すと、2002年以降のポストシーズンにおいて、連覇をめざすチームと対戦し、それを阻止したのは、今年のアトランタ・ブレーブスが9チーム目ということになる。

 2002年のセントルイス・カーディナルスと2005年のシカゴ・ホワイトソックスは、ディビジョン・シリーズで前年のチャンピオンをスウィープした。それぞれ、ダイヤモンドバックスとボストン・レッドソックスを倒した。

 2009年のヤンキースは、ワールドシリーズでフィラデルフィア・フィリーズと対戦し、連覇を阻んで9年ぶりの優勝を飾った。このシリーズのMVPには、松井秀喜が選ばれた。

 残る6チームは、リーグ・チャンピオンシップ・シリーズで前年のチャンピオンを下した。2008年のタンパベイ・レイズ、2010年のテキサス・レンジャーズ、2012年のサンフランシスコ・ジャイアンツ、2017年のドジャース、2018年のレッドソックス。そして、今年のブレーブスがそうだ。

 ブレーブスの前に連覇を阻んだ8チーム中4チームはワールドシリーズで優勝し、同じく4チームはワールドシリーズあるいはその前のシリーズで敗退した。この8チームを年の順に並べると、敗退と優勝が交互になるが、サンプル数はそう多くない上、連覇をめざすチームがポストシーズンへ進めなかった年も少なくないので、繰り返される「法則」として、今年のブレーブスに当てはめるのは無理があるだろう。

筆者作成
筆者作成

 10月26日から始まるワールドシリーズで、ブレーブスはヒューストン・アストロズと対戦する。両チームがポストシーズンのシリーズで顔を合わせるのは、2005年以来だ。それについては、こちらで書いた。

「アストロズとブレーブスのワールドシリーズは初めてだが、ポストシーズンの対戦は6度目。過去には名勝負も」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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