Yahoo!ニュース

45本以上を打ちながら1本差で本塁打王を逃したのは…。ゲレーロJr.とペレスは46本、大谷は45本

宇根夏樹ベースボール・ライター
左から、D.オティーズ、R.ジャクソン、A.ロドリゲス Mar 17, 2008(写真:ロイター/アフロ)

 ナ・リーグとア・リーグの球史において、1シーズンに45本以上のホームランを打った選手は、延べ150人を数える。今シーズンの3人は、ブラディミール・ゲレーロJr.(トロント・ブルージェイズ)が148人目、サルバドール・ペレス(カンザスシティ・ロイヤルズ)が149人目、大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)は150人目だ。

 その前の147人中、1997年に58本のマーク・マグワイアと2017年に45本のJ.D.マルティネス(現ボストン・レッドソックス)は、シーズン途中にア・リーグのチームからナ・リーグのチームへ移籍。2人とも、各リーグで記録したホームランは45本未満――正確に記すなら35本未満――だった。彼らを除くと、45本以上で本塁打王を獲得した選手は86人、本塁打王を逃した選手は59人だ。割合にすると、59.3%(86/145)と40.7%(59/145)となる。

 後者のなかには、本塁打王と1本差だった選手も8人いる。彼らは、45本以上のホームランを打ちながら、同じリーグにそれよりも1本多い選手がいたため、本塁打王になれなかった。

筆者作成
筆者作成

 8人のうち、1969年のフランク・ハワードは、本塁打王を獲得した選手よりも早く、45本に到達した。1959年のアーニー・バンクスと2005年のデビッド・オティーズは、本塁打王を獲得した選手と同じ日に、45本目のホームランを打った。また、1971年のハンク・アーロンと2005年のオティーズは、46本目を打った時点で単独トップに立っていた。

 9月24日を終え、ゲレーロJr.とペレスは46本でトップに並び、大谷は1本差の3位にいる。残り10試合を切っていることを考えると、3人のなかから、45本以上のホームランを打って1本差で本塁打王を逃す9人目、あるいは9人目と10人目が出てきてもおかしくない。

 なお、これまでの8人中7人は、違うシーズンに本塁打王を獲得している。例外は、ラファエル・パルメイロだ。リーグ2位のシーズンも、ケン・グリフィーJr.と1本差の1999年しかない。シーズン最多は、1999年と2001年の47本。通算569本は13位に位置し、本塁打王を獲得していない選手では最も多い。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

宇根夏樹の最近の記事