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ホームランを打ってベースを回る途中で、ヘルメットを野手に投げつけて乱闘を引き起こす。何があった!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
ヘンリー・ラモス Feb 19, 2020(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 9月3日、AAAの試合で乱闘が起きた。シアトル・マリナーズ傘下とアリゾナ・ダイヤモンドバックス傘下のチーム、タコマ・レイニアーズとリノ・エーシズが対戦した試合だ。

 7回裏に、エーシズのヘンリー・ラモスがホームランを打った。どうやら、その際のバット・フリップ――バットを放り投げる行為――について、相手の投手に何か言われたらしく、ラモスは投手のほうを向いて何か叫びながら、一塁を回って二塁へ走っていった。

 二塁ベースの近くにいた遊撃手のドノバン・ウォルトンは、近づいてきたラモスに対し、払うような仕草で右手を右へ動かした。おそらく、黙って早く一周しろ、ということだろう。こちらにもラモスは言い返し、ウォルトンはラモスを追いかけ始めた。

 三塁の手前でラモスは向き直り、かぶっていたヘルメットを両手で持ち上げると、それをウォルトンに投げつけた。近距離にしては強すぎる、バスケットボールのトスといった感じだ。ヘルメットはウォルトンの胸に当たり、そこから乱闘が始まった。

 ホームランを打ち、ベースを回ってホームへ戻ってきた打者に、捕手が文句を言い、そこから乱闘が起きたことはある。例えば、8年前のカルロス・ゴメスブライアン・マッキャンがそうだ。この時は、ゴメスがホームランを打ってからすぐに走り出さず、ゆっくりと歩きながら投手に何か言ったのが、マッキャンの怒りを買った。

 ただ、ラモスのような、ホームランを打ち、ベースを回っている途中に乱闘を引き起こした選手は、お目にかかったことがない。もし、ご存じの方がいらっしゃれば、教えてください。

 両チームの選手が入り乱れ、その結果、ラモスとウォルトンを含む5人が退場処分を受けた。ラモスのホームランは幻にはならなかったものの、ホームインはしておらず、おそらく、三塁も踏んでいない。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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