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500本塁打のカブレラは3000安打まで45本。同じシーズンに両方達成なら史上初

宇根夏樹ベースボール・ライター
ミゲル・カブレラ(デトロイト・タイガース)Aug 22, 2021(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 8月22日、ミゲル・カブレラ(デトロイト・タイガース)は、500本目のホームランを打った(写真)。499本目は8月11日。リーチをかけてから達成までの「足踏み」は、やや長めだった。カブレラの前に到達した選手については、「カブレラが「500本塁打」にリーチ。過去の達成者は、499本から500本までにどれくらいかかったのか」で書いた。

 カブレラは、別のマイルストーンにも近づいている。このホームランにより、通算3000安打まで45本とした。

 ナ・リーグとア・リーグの球史において、500本塁打と3000安打を両方達成した選手は、6人しかいない。ハンク・アーロン(755本塁打/3771安打)、ウィリー・メイズ(660本塁打/3293安打)、エディ・マリー(504本塁打/3255安打)、ラファエル・パルメイロ(569本塁打/3020安打)、アレックス・ロドリゲス(696本塁打/3115安打)に、現時点で677本塁打と3295安打のアルバート・プーホルス(ロサンゼルス・ドジャース)だ。

筆者作成
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 3人目のマリー以外は、この2つのマイルストーンのうち、500本塁打を先に達成した。カブレラもそうなる。同じシーズンに500本塁打と3000安打を達成すれば史上初だが、3000本目のヒットは来シーズンになりそうだ。あと36試合で45安打は、全盛期ならともかく、現在のカブレラにはハードルが高い。今シーズンの月間安打は、最も多い6月でも28本だ。それを1.5倍しても42本。今シーズンの残りは、1ヵ月半を切っている。

 とはいえ、今オフにカブレラが引退しない限り、達成はまず間違いない。8年2億4800万ドルの契約は、2023年まで残っている。ちなみに、すでに殿堂入りの切符は手にしている。三冠王の2012年を含め、首位打者は4度、本塁打王と打点王は2度ずつ。通算の打率は.311、出塁率は.388、OPSは.922だ。最初の投票で殿堂に迎え入れられるだろう。

 なお、今シーズン、ジョーイ・ボトー(シンシナティ・レッズ)は、4月30日に300本塁打、6月30日に1000打点、8月16日に2000安打に到達した。この3つのマイルストーンを同じシーズンに達成したのは、MLBスタッツによると、1971年のビリー・ウィリアムズに続く2人目だという。

 また、2年前には、ブライス・ハーパー(フィラデルフィア・フィリーズ)が、200本塁打と1000安打を、同じシーズンどころか、同時に達成している。200本目のホームラン=1000本目のヒットだ。こちらについては、その直後に「同時に「200本塁打」と「1000安打」は史上初。普通はどちらを先に達成?」で書いた。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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