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来年のオールスター・ゲームも、マックス・シャーザーと大谷翔平の2人が投げ合えば…

宇根夏樹ベースボール・ライター
マックス・シャーザー(ワシントン・ナショナルズ)Jul 13, 2021(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 2021年のオールスター・ゲームが終わった。

 ア・リーグの「1番・DH」として出場した大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)は、マックス・シャーザー(ワシントン・ナショナルズ)とコービン・バーンズ(ミルウォーキー・ブルワーズ)の2投手と対戦し、それぞれ、二塁ゴロと一塁ゴロに討ち取られたが、先発投手として1イニングを3人で終わらせ、白星を手にした。オールスター・ゲームでは、5イニング未満の先発投手にも勝利投手の権利がある。黒星は2イニングを投げて2失点のバーンズにつき、MVPはバーンズからホームランを打ったブラディミール・ゲレーロJr.(トロント・ブルージェイズ)が受賞した。

 もし、来年の夏も、シャーザーと大谷の2人が先発マウンドに上がれば、2年続けて先発投手として投げ合った、史上3組目のデュオとなる。1組目は1939~40年のレッド・ラフィングポール・デリンジャー、2組目は2017~18年のシャーザーとクリス・セール(ボストン・レッドソックス)だ。セールは、2016年から3年続けて先発投手を務めた。

 1年も先のことだが、シャーザーは36歳の今も――今月27日に37歳を迎える――年齢を感じさせない投球をしている。前半戦の防御率2.66はリーグ10位、奪三振率12.31は3位、与四球率2.02は9位、K/BB6.09は4位だ。ナ・リーグでこの4項目ともトップ10に入っているのは、ジェイコブ・デグローム(ニューヨーク・メッツ)とザック・ウィーラー(フィラデルフィア・フィリーズ)とシャーザーしかいない。オールスター・ゲームでも、大谷と同じく、3人とも出塁させなかった。

 ただ、シャーザーがナショナルズと交わしている7年2億1000万ドルの契約は、今シーズンで終わる。来シーズンは、ア・リーグのチームで投げているかもしれない。その場合、大谷が移籍することはまずないので、ともに来年のオールスター・ゲームに選ばれても、投げ合いは実現しない。

 なお、シャーザーは先発投手としてあと1試合に投げると、歴代最多タイの先発5登板となる。この記録を持つのは、レフティ・ゴメス(1933~35年、1937~38年)、ロビン・ロバーツ(1950~51年、1953~55年)、ドン・ドライスデール(1959年の2試合、1962年、1964年、1968年)の3人だ。シャーザーは今年の先発登板により、2013年と2017~18年と合わせて、ジム・パーマー(1970年、1972年、1977~78年)とランディ・ジョンソン(1995年、1997年、2000~01年)に並んだ。シャーザーを除く、先発4登板以上の5人は、いずれも殿堂入りしている。シャーザーもそうなるだろう。

 来年のオールスター・ゲームは、ロサンゼルスのドジャー・スタジアムで行われる。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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