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球宴ファン投票の決勝ラウンド。大谷がそうなることはないだろうが、前回は5ポジションの1位が入れ替わり

宇根夏樹ベースボール・ライター
今年のオールスター・ゲームは、7月13日にクアーズ・フィールドで行われる(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 オールスター・ゲームのファン投票は、2段階に分かれている。6月28日の東部時間・午後12時(日本時間では6月29日の午前1時)に始まる「フェイズ2」の投票は、「フェイズ1」で各ポジションの得票トップ3(外野は9人)に入った選手が対象となる。「フェイズ1」で得た票はカウントされず、ゼロからスタートする。

 この方式は、2019年に始まった。今年が2度目だ。前回の「フェイズ1」と「フェイズ2」の投票は、13ポジション(ナ・リーグの6ポジションとア・リーグの7ポジション)のうち、5ポジションの1位が入れ替わった。

 ア・リーグの一塁手は、1位通過のルーク・ボイト(ニューヨーク・ヤンキース)が2位になり、2位通過のカルロス・サンタナ(当時クリーブランド・インディアンズ/現カンザスシティ・ロイヤルズ)がボイトを上回って選出された。ア・リーグの二塁手は、トミー・ラステラ(当時ロサンゼルス・エンジェルス/現サンフランシスコ・ジャイアンツ)が1位通過→3位の一方で、DJ・ラメイヒュー(ヤンキース)が3位通過→1位。ナ・リーグの二塁手は、オジー・オールビース(アトランタ・ブレーブス)が1位通過→2位、ケテル・マーテイ(アリゾナ・ダイヤモンドバックス)が3位通過→1位。DHは、J.D.マルティネス(ボストン・レッドソックス)が1位通過→2位、ハンター・ペンス(当時テキサス・レンジャーズ)が2位通過→1位だ。

 ナ・リーグの外野手は、トップ3で通過した3人がそのまま選出されたものの、その順位は、コディ・ベリンジャー(ロサンゼルス・ドジャース)、クリスチャン・イェリッチ(ミルウォーキー・ブルワーズ)、ロナルド・アクーニャJr.(ブレーブス)から、イェリッチ、ベリンジャー、アクーニャJr.となった。

 なかでも、ナ・リーグの二塁手は、大逆転が起きた。「フェイズ1」の得票は、オールビースの219万518票に対し、マーテイは110万2419票。約半数に過ぎなかった。175万8636票で2位通過のマイク・ムスタカス(当時ブルワーズ/現シンシナティ・レッズ)ならともかく、マーテイが「フェイズ2」でトップに立つとは、まったく予想できなかった。DHのペンスも、「フェイズ1」の得票はJ.D.の約3分の2だった。

 今回、大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)は「フェイズ1」で196万1511票を得た。DH2位通過のJ.D.は75万5663票なので、大谷の40%に満たない。3位通過のヨーダン・アルバレス(ヒューストン・アストロズ)は69万1218票だ。2位と3位が入れ替わることはあっても、大谷の1位は変わらないだろう。1位通過と2位通過の得票差が最も少ないのは、ナ・リーグの一塁手。127万6688票のマックス・マンシー(ドジャース)と115万6966票のフレディ・フリーマン(ブレーブス)だ。 

「フェイズ2」の投票期間は、7月1日の午後2時(日本時間では7月2日の午前3時)までだ。各ポジションで最も多くの票を得た選手は、7月13日(日本時間では7月14日)にコロラド州デンバーのクアーズ・フィールドで行われる、オールスター・ゲームに先発出場する。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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