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「交流戦の本塁打王」はそのシーズンの本塁打王を獲得しているのか。今年の最多は7本塁打の4人

宇根夏樹ベースボール・ライター
山田哲人 MARCH 15, 2017(写真:アフロスポーツ)

 交流戦の全試合が終わった。セ・リーグの球団が49勝、パ・リーグの球団が48勝(引き分けが11試合)。セ・リーグの勝ち越しは2度目。2009年の70勝67敗7分以来だ。通算は、セ・リーグの1015勝、パ・リーグの1146勝、引き分けが71試合となった。

 今年の交流戦で最多の7本塁打を記録したのも、セ・リーグの4人、横浜DeNAベイスターズのタイラー・オースティンと読売ジャイアンツの岡本和真、東京ヤクルト・スワローズの村上宗隆山田哲人だった。ちなみに、彼らよりも1本塁打少ない5位には、阪神タイガースの佐藤輝明、埼玉西武ライオンズの山川穂高、千葉ロッテ・マリーンズのブランドン・レアードが並ぶ。

 2005~19年のそれぞれの交流戦において、今年の4人と同じように最多のホームランを打った「交流戦の本塁打王」は、延べ20人を数える。各年の交流戦は、1球団につき、2005~06年は36試合、2007~14年は24試合、2015年以降は18試合だ。2014年以降、単年に二桁本塁打はおらず、2015年の畠山和洋と2017年のアレックス・ゲレーロによる9本塁打が最も多い。

筆者作成
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 また、交流戦で最多本塁打を記録し、そのシーズンに本塁打王を獲得した選手は7人いる。そのうちの4人、2011年に48本塁打(交流戦7本)の中村剛也(埼玉西武)、2013年に60本塁打(交流戦10本)のウラディミール・バレンティン(当時・東京ヤクルト/現・福岡ソフトバンク・ホークス)、2014年に37本塁打(交流戦8本)のブラッド・エルドレッド、2017年に35本塁打(交流戦9本)のゲレーロは、シーズン全体の本数が両リーグで最も多かった(ゲレーロは、福岡ソフトバンクのアルフレド・デスパイネとタイ)。

 この他、シーズン本塁打がリーグ2位の選手は5人いるが、3位以降を含め、本塁打王と5本差以内は、2人しかいない。2007年に42本塁打(交流戦11本)のタフィー・ローズは、山﨑武司と1本差。2010年に28本塁打(交流戦11本)の山﨑は、T-岡田(オリックス・バファローズ)より5本少なかった。

 なお、今年の交流戦で6本塁打以上の7人中、セ・リーグの5人は現時点のシーズン・トップ5と同じ顔ぶれだ。村上が20本、岡本が19本、山田が17本、佐藤が16本、オースティンは13本を記録している。パ・リーグの2人は、レアードが2位の16本、山川は6位タイの10本。トップにいるレオネス・マーティン(千葉ロッテ)との差は、それぞれ1本と7本だ。マーティンは交流戦で、3本のホームランを打った。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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