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大谷翔平が打った飛距離470フィートのホームランは、「左対左」に限ると今シーズンのメジャーリーグ最長

宇根夏樹ベースボール・ライター
大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)Jun 5, 2021(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)が6月8日に打ったホームランは、スタットキャストによると、自己最長の推定飛距離470フィート(約143.3m)を記録した。それまでの大谷のホームランは、今年4月4日の451フィート(約137.5m)が最長だった。それと比べると、19フィート(約5.8m)も長い。

 この飛距離は、2015年以降――スタットキャスト・エラ――におけるホームランの104位タイ、今シーズンの8位タイに位置する。

 また、大谷は左打者、大谷にホームランを打たれたクリス・ブービッチ(カンザスシティ・ロイヤルズ)は左投手だ。左対左に限ると、470フィートの飛距離は、2015年以降の10位タイ、今シーズンの最長となる。後者は、4月16日にカイル・シュワーバー(ワシントン・ナショナルズ)がアレックス・ヤング(アリゾナ・ダイヤモンドバックス)から打った、463フィート(約141.1m)のホームランを上回った。

 今シーズン、大谷は、右投手から11本、左投手から6本のホームランを打っている。1本塁打に要する打数は、対右が12.6、対左は11.2だ。昨シーズンまでの通算は、15.0打数/本(41本)と41.0打数/本(6本)だった。今シーズンは、右投手だけでなく左投手に対しても、パワーを発揮している。

 ちなみに、左対左のホームランのうち、2015年以降の最長は、2016年5月25日にテキサス・レンジャーズのノマー・マザーラ(現デトロイト・タイガース)がエンジェルスのヘクター・サンティアゴ(現シアトル・マリナーズ)から打った、491フィート(約149.7m)だ。2番目も、マザーラの482フィート(約146.9m)。こちらは、2019年の開幕戦に、シカゴ・カブスのマイク・モンゴメリーを相手に記録した。

 投打の左右を問わない最長記録も、ジャンカルロ・スタントン(現ニューヨーク・ヤンキース)を僅差で上回り、マザーラが保持する。それについては「まさに飛ばし屋。471フィートの本塁打は、自己最長どころかトップ5にも入らず」で書いた。ただ、マザーラのシーズン本塁打は、デビューから3シーズン(2016~18年)の各20本が最多。今シーズンは、まだ2本しかホームランを打っておらず、その飛距離はどちらも400フィート(約121.9m)未満だ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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