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ワールドシリーズMVPの優勝リングがオークションに出品される!? 「山羊の呪い」を解いたのは5年前

宇根夏樹ベースボール・ライター
ベン・ゾブリスト Nov 4, 2016(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 シカゴ・カブスが「山羊の呪い」を解き、108年ぶりにワールドシリーズで優勝したのは、5年前のことだ。その時のワールドチャンピオン・リングが、早くも売りに出されるという。ヘイテイジ・オークション・スポーツは、8月のオークションにベン・ゾブリストの優勝リングが出品される、とツイートした。カブスの選手の優勝リングがオークションにかけられるのは初めて、とも謳っている。アップされた写真の優勝リングは、左横にゾブリストの名前が見える。

 優勝リングがオークションにかけられたことは、過去にも何度かある。けれども、授与からこれほど早い出品は異例だ。しかも、この年のワールドシリーズで、ゾブリストはMVPを受賞した。シリーズ10安打は、カブスとクリーブランド・インディアンズのどの選手よりも多く、第7戦の10回表には二塁打を打ち、勝ち越しの走者を生還させた。

 この前年にも、ゾブリストはカンザスシティ・ロイヤルズでワールドチャンピオンになっている。けれども、2つあるから片方を売ってもいい、というものではないはずだ。離婚に伴い、金が必要になったのだろうか。4年5600万ドルの契約最終年だった2019年に、ゾブリストは5月上旬から9月上旬までチームを離れた。そのオフにFAとなってからは、引退表明こそしていないものの、どの球団とも契約していない。先月、ゾブリストは40歳の誕生日を迎えた。

 ただ、ゾブリストの優勝リングがオークションに出品されるのかどうかは、まだわからない。事態は混沌としている。

 シカゴ・トリビューンのポール・サリバンによると、ゾブリストの代理人を務めるスコット・パチーノは売却を否定している。パチーノがゾブリストと話をして、本人の意思を確認したという。

 一方、オークション会社の広報は、カンザスシティ・スターのピート・グラスオフに、優勝リングの出品者はゾブリストではなく、ゾブリストから購入したコレクターだと語っている。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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