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同じ日に別の試合で「4人がそれぞれ2本塁打」と「1チーム7本塁打」。どっちが珍しい!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
チップ・ヘイル(左)とジョナサン・スコープ(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 6月1日、ミルウォーキーのアメリカン・ファミリー・フィールドで行われた試合は、両チーム合わせて9本のホームランが飛び交った。ただ、打った選手は5人だ。デトロイト・タイガースは、エリック・ホスジョナサン・スコープの2人。ミルウォーキー・ブルワーズは、コルテン・ウォンタイロン・テイラールイス・ウリーアスの3人。ウリーアス以外の4人は、いずれも2本塁打を記録した。試合は、タイガースが10対7で勝利を収めた。

 1試合に4人がそれぞれ複数のホームランは、MLB.comのサラ・ラングスやアダム・マッカルビーによると、1900年あるいは1901年以降の最多人数。7度目のことだという。

 一方、それと同じ日に、シンシナティのグレート・アメリカン・ボールパークでは、フィラデルフィア・フィリーズの5人が、計7本のホームランを打った。オドゥブル・ヘレーラアンドルー・マッカッチェンが各2本、ロナルド・トレイエスリース・ホスキンスマット・ジョイスが1本ずつだ。シンシナティ・レッズのホームランは、タイラー・ネークインの1本だけ。試合は、フィリーズが17対3で大勝した。

 こちらは、フィリーズの球団最多。1998年9月8日の試合に並んだ。ちなみに、この試合の7本塁打中、最初の2本を喫したのは野茂英雄。最後の3本は、メル・ロハスが打たれた。その息子は、今シーズン、阪神タイガースでプレーしている。

 1チームによる1試合最多のホームランは、フィリーズの球団記録よりも3本多い。1987年9月14日にトロント・ブルージェイズが記録した。計10本のホームランを打った6人のうち、ロイド・モスビーロブ・デューシーは、後に日本プロ野球でプレーした。

 なお、両チーム合計の1試合最多は、2019年6月10日にアリゾナ・ダイヤモンドバックスとフィリーズが記録した13本だ。ダイヤモンドバックスが8本、フィリーズは5本。今回、フィリーズの1試合7本塁打に名を連ねた5人のうち、ホスキンスは2年前のこの試合でも、ホームランを打っている。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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