ノーヒッターを達成した投手が1週間後に外野手として出場する。二刀流ではないけれど…

ノーヒッター達成直後のジョー・マスグローブ(中央)Apr 9, 2021(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 今シーズン、ジョー・マスグローブ(サンディエゴ・パドレス)は、4試合に出場している。出場2試合目の4月9日は、球団史上初のノーヒッターを達成した。

 そこから1週間後――3登板目から数えると2日後――となる4月16日の試合前には、ノーヒッターを称えるセレモニーが行われた。この日は、4月7日以来のホーム・ゲームだった。そして、12回表の1死満塁から、それまで投げていたティム・ヒルに代わり、マスグローブは試合に出場した。

ジョー・マスグローブ(左端)Apr 16, 2021
ジョー・マスグローブ(左端)Apr 16, 2021写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 けれども、マスグローブはマウンドには上がらず、レフトの守備についた。ジャリクソン・プロファーがレフトから二塁へ回り、二塁を守っていたジェイク・クローネンワースが登板した。

 ヒルは11回表を3人で終わらせたものの、12回表は先頭打者に2ラン本塁打を喫し――10回表以降のイニングは無死二塁から始まる――その後も3本のヒットを打たれ、6対9とされた。ヒルを含め、ブルペンにいる9人中8人がこの試合で投げ、残る1人のクレイグ・スタメンは、前日に3イニングを投げた。野手のクローネンワースが登板したのは、これが理由だ。大学時代のクローネンワースは、2ウェイ・プレーヤー(二刀流選手)だった。タンパベイ・レイズ傘下のマイナーリーグでプレーした2019年も、AAAで7試合に登板している。

 また、12人の野手は、すでに全員がこの試合に出場していた。野手が登板するには、投手が投手以外の8ポジションのどこかを守る必要があった。候補は、この試合に投げたライアン・ウェザーズを除く先発投手4人とスタメンの計5人だ。5人全員がベンチ入りしていたかどうかは不明ながら、クリス・パダックとスタメンは前日に登板し、ダルビッシュ有ブレイク・スネルはそれぞれ翌日と翌々日に投げる予定だった(実際に登板した)。そのため、マスグローブが外野を守ることになったと思われる。

 クローネンワースは、自身の失点こそゼロながら、ロサンゼルス・ドジャースに2点を追加された。ドジャースが最後に得点を挙げた犠牲フライは、クローネンワースが投げ、デビッド・プライスが打ち、マスグローブが捕った。「野手」が投げた球を「投手」が打ち返し、それを「投手」が投手以外のポジションで捕球してアウトにしたのは、イライアス・スポーツ・ビューローによると、ここ60年間で初めてのことだという。

 11回裏から登板したプライスは、12回裏も無安打に封じて勝利投手となった。最後のアウト2つは、1週間前にノーヒッターを達成したパドレスのバッテリー、マスグローブとビクター・カラティニを、どちらも見逃し三振に仕留めた。

 なお、4月9日のノーヒッターについては、こちらで書いた。

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