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6日間に2度のノーヒッター。どちらも出塁させたのは、死球の1人だけ。さらに「意外な」共通点も!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
カルロス・ロドーン(シカゴ・ホワイトソックス)Apr 14, 2021(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 4月14日、カルロス・ロドーン(シカゴ・ホワイトソックス)がノーヒッターを達成した。これは、4月9日のジョー・マスグローブ(サンディエゴ・パドレス)に続き、6日間で2度目のノーヒッターだ。

 両投手とも延べ28人の打者と対戦し、出塁させたのは死球による1人だった。マスグローブは12人目、ロドーンは26人目にぶつけた。

 また、右投手と左投手の違いはあるものの、2人の年齢はともに28歳。ノーヒッターの達成日だけでなく、誕生日も近く、1992年の12月4日と12月10日に生まれた。

 2人とも、それまで、完封は一度もなかった。こうした例は初めてではないが、他のことからも、意外な投手によるノーヒッターという見方もできる。

 昨オフ、パドレスはトレードにより、3人の先発投手を獲得した。ブレイク・スネルダルビッシュ有、マスグローブだ。このなかで、マスグローブは最も実績が少ない。前年までの通算5シーズン中、規定投球回に達したのは、2019年(170.1イニング)の1度だけ。防御率4.00未満も、昨シーズンの3.86しかない。

 一方、今シーズンがメジャーリーグ7年目のロドーンは、ホワイトソックスの生え抜きだが、こちらも規定投球回以上は2016年(165.0イニング)のみ。昨年12月にノンテンダーとされ(来シーズンの契約を球団から提示されず)、FAとなった後、今年1月に1年300万ドル――前年より145万ドル減――の契約で、ホワイトソックスに再入団した。

 ただ、どちらも、プロ入りはドラフト1巡目だった。マスグローブは2011年の全体46位。ロドーンは同じ年の16巡目・全体491位指名を断って大学へ進み、2014年に全体3位で指名された。

 もしかすると、2人揃って資質を開花させ、ここから羽ばたいていくのかもしれない。

 今シーズンのマスグローブは、ノーヒッターと前後の各1登板で計19イニングを投げ、24三振を奪って与四球は2、自責点は1だ。ロドーンは、シーズン初登板とノーヒッターの計14イニングで、奪三振16と与四球3。まだ1点も与えていない。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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