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澤村拓一の「デビューから5登板連続無失点」は日本人投手3位。6登板目にホームランを打たれて初失点

宇根夏樹ベースボール・ライター
澤村拓一(ボストン・レッドソックス)Apr 15, 2021(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 4月15日、澤村拓一(ボストン・レッドソックス)が、メジャーリーグ6登板目に初めて得点を許した。0対2で迎えた6回裏に、2番手としてマウンドに上がり、3球目をミゲル・サノー(ミネソタ・ツインズ)にレフトのセカンド・デック(2階席)へ運ばれた。スタットキャストによると、投球は95.3マイルの4シーム。打球の速度は107.3マイル、飛距離は404フィートだった。

 デビューから無失点を5登板以上続けた日本人投手は、澤村が4人目だ。1964年のマッシー村上(村上雅則)――野手を含め、初の日本人メジャーリーガーとなった――と2006年の斎藤隆は、8登板連続。2010年の五十嵐亮太は、澤村と同じく5登板連続だ。3登板以上の連続無失点は、彼らの他に4人いる。

筆者作成
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 この8人のうち、村上は、初失点の9登板目がチームの最終戦。防御率1.80でシーズンを終えた。他の7人はシーズン25試合以上に登板し、それぞれの防御率は、斎藤の2.07が最も低く、五十嵐の7.12が最も高かった。斎藤は、72登板と78.1イニングもこのなかのトップ。2000年に佐々木主浩が挙げた37セーブには及ばなかったものの、7ホールドと24セーブを記録した。新人王の佐々木に対し、斎藤はプリンス・フィルダーと並ぶナ・リーグ7位ながら、サイ・ヤング賞の投票でも票を得た。

 なお、メジャーリーグ1年目に50登板以上で防御率2.50未満の日本人投手は、5人を数える。斎藤以外の4人は、2004年の大塚晶則(1.75)と高津臣吾(2.31)、2007年の岡島秀樹(2.22)、2018年の平野佳寿(2.44/現オリックス・バファローズ)がそうだ。

 サノーにホームランを打たれた後、澤村は3人続けて討ち取った。二塁ゴロ、見逃し三振、遊撃ゴロ。現時点の防御率は1.42だ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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