エースが球団記録に並び、バッテリーを組んだ捕手は史上初の記録を作る。ヤンキースのコールとヒガシオカ
4月12日、シーズン3度目のマウンドに上がったゲリット・コール(ニューヨーク・ヤンキース)は、6イニングを投げて1失点にとどめ、8三振を奪った。開幕戦が8奪三振、2登板目は13奪三振。シーズン最初の3登板で計29奪三振は、1997年のデビッド・コーンと並び、ヤンキースでは最も多い。ちなみに、彼らに次ぐのは2014年の田中将大(現・東北楽天ゴールデンイーグルス)だ。最初の3登板で計28三振を奪った。
一方、コールの2登板目に続き、シーズン2度目のスタメンマスクをかぶったカイル・ヒガシオカは、2打席目と3打席目にホームランを打った。シーズン1本目と2本目、通算11本目と12本目だ。マルチ・ホームラン・ゲーム(1試合複数本塁打)は、これが3度目。2019年8月7日に通算5本目と6本目のホームランを記録し、2020年9月16日に8本目と9本目と10本目を打っている。スタッツ社によると、キャリアのスタートから1ダース(12本)のホームランを打った時点で、マルチ・ホームラン・ゲーム(1試合複数本塁打)が3度は、捕手ではメジャーリーグ史上初だという。
1試合3本塁打の試合も、バッテリーを組んだのはコールだった。その前の1試合2本塁打は、ジェームズ・パクストン(現シアトル・マリナーズ)の球を受けた。当時、コールは、ヤンキースではなくヒューストン・アストロズにいた。
昨年9月以降、ヒガシオカは、コールのパーソナル・キャッチャーとなっている。
ポストシーズンの3試合を含む、コールのここ10登板中、バッテリーを組まなかったのは、今シーズンの開幕戦だけだ。この試合は、正捕手のゲリー・サンチェスが出場した。コールの防御率は、サンチェスと組んだ51.1イニングの3.86に対し、ヒガシオカと組んだ58.1イニングは1.54。レギュラーシーズンに限れば、40.0イニングで0.90だ。また、ヒガシオカのパワーは、「クラーケン」のニックネームを持つサンチェスには及ばないものの、マイナーリーグでは、2016年と2019年にそれぞれ20本以上のホームランを打っている。
ヒガシオカは、父方に日本人のルーツを持つ、日系4世だ。1月下旬にはツイッターに、絵文字を交えながらローマ字で「キョ ワタシワ カナシデス…オツカレサマ デシタ タナカ-サン. アナタワ ワタシ ノ イチバン トモダチ」と書き込んでいる。
なお、ダルビッシュ有(サンディエゴ・パドレス)のパーソナル・キャッチャー、ビクター・カラティニについては、こちらで書いた。4月12日にダルビッシュがシーズン初勝利を挙げた試合で、カラティニは二塁打を打って1打点を挙げた。