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今夏のオールスターは「打者天国」。23年前は史上最多の計21得点。先発出場の18人中11人は殿堂入り

宇根夏樹ベースボール・ライター
クアーズ・フィールド Apr 1, 2021(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 今年のオールスター・ゲームは、コロラド・ロッキーズの本拠地、コロラド州デンバーのクアーズ・フィールドで行われる。

 本来であれば、アトランタ・ブレーブスの本拠地、ジョージア州アトランタのトゥルーイスト・パークで行われるはずだったが、ジョージア州で成立した投票制限法に反対する意味を込め、オールスター・ゲームの開催地を変更した。

 クアーズ・フィールドでのオールスター・ゲームは、23年ぶり2度目となる。1998年の試合は、いかにも「打者天国」らしかった。両チーム合わせて21得点は史上最多。1954年の20得点を上回った。ア・リーグの13得点も、1983年と1992年に並び、最も多かった。

 この年のスターティング・ラインナップに名を連ねた、両チームの計18人中、初選出はウォルト・ワイスだけ。ホームランを含む3安打を記録し、ゲームMVPに選ばれたロベルト・アロマーをはじめ、11人が後に殿堂入りした。バリー・ボンズアレックス・ロドリゲスがいるので、その是非はさておき、これから人数が増える可能性もある。

筆者作成
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 選出された他の選手では、トム・グラビンペドロ・マルティネストレバー・ホフマンデレク・ジーターが、殿堂に迎えられた。殿堂入りはしていないものの、ロジャー・クレメンスマニー・ラミレスカート・シリングもいた。

 今年のメンバーを予想するのはまだ早いが、キャバン・ビジオ(トロント・ブルージェイズ)、ボー・ビシェット(ブルージェイズ)、トラビス・ショウ(ミルウォーキー・ブルワーズ)のそれぞれの父、クレイグ・ビジオダンテ・ビシェットジェフ・ショウは、いずれも23年前のオールスター・ゲームに出場している。現時点のロースターには入っていないが、ロッキーズに在籍中のデレク・ロドリゲスは、23年前にスタメンマスクをかぶったイバン・ロドリゲスの息子だ。ディー・ストレンジ-ゴードン――今シーズンの開幕直前にシンシナティ・レッズからFAとなった――の父、トム・ゴードンも、この年のオールスター・ゲームで投げた。

 また、今年2月のトレードで移籍するまで、ノーラン・アレナード(セントルイス・カーディナルス)は、コロラド・ロッキーズでプレーしていた。オールスター・ゲームのメンバーに選ばれれば、ロッキーズもカーディナルスもナ・リーグのチームなので、再びクアーズ・フィールドをホームとすることになる。もっとも、アレナードがクアーズ・フィールドに戻るのは、それよりも少し早い。カーディナルスは7月1日~4日に、クアーズ・フィールドでロッキーズと対戦する。オールスター・ゲームが行われるのは、7月13日だ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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