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開幕戦で先頭打者本塁打が出たチームの勝敗は…。過去には「先制点ではなかった先頭打者弾」も

宇根夏樹ベースボール・ライター
立浪和義 MARCH 6, 2013(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)

 いち早く開幕を迎えた楽天生命パーク宮城で、東北楽天ゴールデンイーグルスの1番打者、辰己涼介が、1回裏に初球をスタンドへ弾き返した。

 開幕戦の先頭打者本塁打は、史上19人目。2011年のマット・マートン以来だ。初球に限ると、1962年の衆樹資宏(もろき・もとひろと読む)、1963年の広瀬叔功、1970年の山崎裕之、2007年の高橋由伸に続き、5人目となる。衆樹と髙橋は、1回表の試合開始直後だった。

 ただ、19本とも先制点となったわけではない。1回裏の13本中2本、1997年の立浪和義と2011年のマートンは、同点に追いつくホームランだった。彼らがいたそれぞれのチーム、中日ドラゴンズと阪神タイガースは、1回表にホームランを打たれはしなかったものの、1点を取られた。

 また、先頭打者本塁打を打った選手がいるチームから見て、過去18試合の勝敗は、11勝6敗1分だ(19試合目は、これを書いている時点で、東北楽天が北海道日本ハムファイターズに対し、2対0とリードしている)。1985年の石毛宏典は、開幕戦で先頭打者本塁打の他にもう1本、ホームランを打ったが、石毛のいる西武ライオンズは7対9で近鉄バファローズに敗れた。1992年の福岡ダイエーホークスは、1回表に佐々木誠の先頭打者本塁打でリードしたのも束の間、その裏に3点を返され、一度は同点としたものの、こちらも5対7で黒星スタートとなった。この開幕戦も、相手は近鉄だった。

 唯一の引き分けは、1991年に前田智徳が先頭打者本塁打を打った試合だ。前田のいる広島東洋カープも、対戦したヤクルトスワローズも、3点ずつ。5回裏を終えたところで、雨のために試合は打ち切られた。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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