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マイナーリーグ契約の「オールスター選手」は約30人。5年ぶりのメジャーリーグ復帰をめざす左腕も

宇根夏樹ベースボール・ライター
スコット・キャズミアー AUGUST 3, 2014(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 オールスター・ゲームに選ばれたことがありながら、現在はマイナーリーグ契約という選手は少なくない。各球団を調べたところ、30人近くが見つかった。

筆者作成
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 なかでも、フェリックス・ヘルナンデス(ボルティモア・オリオールズ)のオールスター・ゲーム選出回数は際立つ。フェリックスと、彼とともにオリオールズのスプリング・トレーニングに参加しているマット・ハービーについては、先月、「ローテーションに「キングとナイト」が揃う!? 「ビショップ」や「クイーン」はいないけれど…」で書いた。

 フェリックスに次いでオールスター・ゲームの選出回数が多いのは、それぞれ3度のジェイ・ブルース(ニューヨーク・ヤンキース)とウェイド・デービス(カンザスシティ・ロイヤルズ)、スコット・キャズミアー(サンフランシスコ・ジャイアンツ)だ。3人のうち、デービスは2013~16年に在籍したロイヤルズへ戻った。

 キャズミアーの場合、メジャーリーグで投げたのは2016年が最後。2018年の開幕前にアトランタ・ブレーブスから解雇され、その後はどの球団とも契約していなかった。だが、タンパベイ・タイムズのマーク・トプキンによると、昨年の夏、元チームメイトのケンドール・グレイブマン(シアトル・マリナーズ)に頼まれてキャッチボールの相手を務めた時に、やれると感じたという。そして、独立リーグの球団に入って投げた。

 キャズミアーがカムバックを試みるのは、今回が初めてではない。2011年途中にロサンゼルス・エンジェルスから解雇された時も、翌年の独立リーグを経て、2013年にクリーブランド・インディアンズとマイナーリーグ契約。そこで、158.0イニングを投げて防御率4.09を記録した。さらに、オークランド・アスレティックスへ移った2014年とアスレティックスとヒューストン・アストロズで投げた2015年は、いずれも規定投球回に達したのみならず、さらに防御率を下げ、2014年は6年ぶり3度目のオールスター・ゲームにも選ばれた。

2014年のオールスター・ゲームに選ばれたA'sの選手たち。右から3人目がキャズミアー
2014年のオールスター・ゲームに選ばれたA'sの選手たち。右から3人目がキャズミアー写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 なお、キャズミアーと同じく、ノン・ロースター・インバイティ(キャンプ招待選手)としてジャイアンツのスプリング・トレーニングに参加している投手には、山口俊や、元・広島東洋カープ&千葉ロッテマリーンズのジェイ・ジャクソンもいる。「大麻所持で逮捕されたあのジャクソンが、秋山翔吾とチームメイトに!? 2人はNPBで対戦経験あり」で書いたとおり、昨年、千葉ロッテを退団したジャクソンは、シンシナティ・レッズと契約したが、メジャーリーグに復帰することはできなかった。

 今月上旬には、前・阪神タイガースのジャスティン・ボーアも、ジャイアンツとマイナーリーグ契約を交わした。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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