MLBでもNPBでも「その国で生まれた初の選手」となるのは、広島東洋のネバラスカスが最初ではなく…

ドビーダス・ネバラスカス Sep 4, 2020(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ドビーダス・ネバラスカス(広島東洋カープ)は、2017年にピッツバーグ・パイレーツからメジャーデビューし、「リトアニアで生まれた初のメジャーリーガー」となった。今のところ、2人目は現れていない。今シーズンの初登板とともに、ネバラスカスは「リトアニアで生まれた初の日本プロ野球選手」となる。

 メジャーリーグと日本プロ野球のどちらでも「その国で生まれた初の選手」となるのは、ネバラスカスが最初ではない。調べたところ、アメリカ領サモア生まれのトニー・ソレイタを含め、4人が見つかった。

 バハマ生まれのアンディ・ロジャースは、1957~67年にメジャーリーグの3チームでプレーした後、1969年に大洋ホエールズで49試合に出場した。最初にプレーしたニューヨーク/サンフランシスコ・ジャイアンツには、ダリル・スペンサー――こちらは1964~68年と1971~72年に阪急ブレーブスで計152本塁打――がいたこともあり、レギュラーになれなかったが、1962~64年はシカゴ・カブスで正遊撃手を務めた。

 ただ、「バハマで生まれた初のメジャーリーガー」は、ロジャースではなくなるかもしれない。昨年12月、メジャーリーグ機構は、ニグロリーグをメジャーリーグと認定することを発表した。1932年と1937年にアトランタ・ブラック・クラッカーズでプレーしたオーモンド・サンプソンは、サモアで生まれた。

 ソレイタは、1968年に「サモアン初のメジャーリーガー」になったものの、この年の出場は1試合だけ。ニューヨーク・ヤンキースでミッキー・マントルに代わって6回裏から一塁を守り、8回表の打席は三振に仕留められた。その後、2度の移籍を経てようやくメジャーリーグ2年目を迎えたのは、1974年のことだった。メジャーリーグでは通算525試合で50本塁打ながら、日本ハムファイターズでプレーした4シーズンは、1980~81年が40本塁打以上、1982~83年も30本塁打以上。「サモアの怪人」と呼ばれた。

 ヘンスリー・ミューレンス――日本プロ野球時代は「ミューレン」――は、オランダ王国を構成する4つの国の一つ、キュラソーで生まれた。1989年のメジャーデビューはキュラソー生まれの初だが、1994年の日本プロ野球デビューはオランダ王国全体でも初だ。1994年の千葉ロッテマリーンズと1995~96年のヤクルトスワローズを挟み、1989~93年と1997~98年にメジャーリーグでプレー。日本プロ野球の380試合で77本塁打、メジャーリーグの182試合で15本塁打を記録した。

 インドネシアで生まれたトム・マストニーは、2006~08年にクリーブランド・インディアンズ、2009年に横浜ベイスターズで投げた。もっとも、育ったのはアメリカ合衆国のインディアナ州。彼の母が旅行中に出産した。インドネシアで生まれ、インディアナ州で育った選手が、インディアンズからデビューしたということだ。インドネシア(Indonesia)とインディアナ(Indiana)が少し似ているのも原因なのか、メジャーデビュー当初は、どこで生まれたのかについて、メディアの間で混乱が起きた。

 なお、ネバラスカスが広島東洋でチームメイトとなるテイラー・スコットは、「南アフリカ共和国で生まれた初の日本プロ野球選手」だ。2019年にシアトル・マリナーズとボルティモア・オリオールズでも投げたが、この国で生まれたメジャーリーガーとしては2人目。スコットの2年前に、ギフト・ンゴペイがメジャーデビューしている。