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背番号が「素数」の選手だけでラインナップを組めるのか。パは千葉ロッテに可能性あり。セは4球団

宇根夏樹ベースボール・ライター
藤原恭大 JANUARY 11, 2019(写真:西村尚己/アフロスポーツ)

 背番号が素数の選手だけでラインナップを組めるのだろうか。2月26日の時点で支配下登録されている選手を対象に、各球団を調べてみた。

 パ・リーグの球団は野手9人と投手1人、セ・リーグの球団は野手8人と投手1人が必要だ。DH制を採用している分、パ・リーグは少しハードルが高くなる。

 赤瀬川隼の「捕手はまだか」ではないが、北海道日本ハムファイターズと中日ドラゴンズには、背番号が素数の捕手がいない。また、パ・リーグの6球団中5球団は、素数の背番号を持つ野手(捕手、内野手、外野手)が9人に満たない。従って、可能性があるのは、11人の千葉ロッテマリーンズだけとなる。また、セ・リーグでも、中日と広島東洋カープは7人ずつ。この2球団も、背番号が素数の選手だけでラインナップを組むことはできない。

 千葉ロッテの場合、マスクをかぶるのは「53」の江村直也、内野の両コーナーは「31」の菅野剛士と「5」の安田尚憲だ。菅野は外野手登録だが、実際に一塁も守っている。外野トリオとDHは、「2」の藤原恭大、「3」の角中勝也、「7」の福田秀平、「79」のレオネス・マーティン。藤原か福田がセンターに入る。外野手は、昨年のドラフト5位、「59」の西川僚祐もいる。併殺デュオは、「67」の茶谷健太、「23」の三木亮、「13」の平沢大河の3人中2人。どの球団もそうだが、背番号が素数の投手は多い。昨シーズンの先発登板数からすると「43」の小島和哉。期待を込めて「17」の佐々木朗希としてもいい。

 読売ジャイアンツは、素数を背負う野手が千葉ロッテに次いで多く、10人を数える。捕手は「67」の山瀬慎之助。外野手は5人、「2」の陽岱鋼、「13」の梶谷隆幸、「31」の松原聖弥、「43」の重信慎之介、「97」の伊藤海斗がいる。内野手も、4人をそれぞれのポジションに配置できる。右から反時計回りに、「5」の中島宏之、「37」の若林晃弘、「61」の増田陸、「29」の吉川尚輝だ。

 中日と広島東洋、読売を除く、セ・リーグの他3球団にいる、背番号が素数の野手は、東京ヤクルトスワローズが9人、阪神タイガースと横浜DeNAベイスターズが各8人。東京ヤクルトは、捕手が「2」の中村悠平(あるいは「59」の大村孟)、外野手トリオが「23」の青木宣親と「31」の山崎晃大朗と「41」の雄平(並びは左から右へ)、遊撃は「3」の西浦直亨……まではすんなりいくが、残る3ポジションで引っかかる。コーナー・インフィルダーが3人いるのに対し、ミドル・インフィルダーは0人だ。「13」のホセ・オスナは、メジャーリーグでもマイナーリーグでも、内外野の両コーナーしか守っていない(他にメジャーリーグで2登板)。「5」の川端慎吾と「7」の内川聖一は、二塁を守ったことがあるものの、どちらも10年以上も前だ。

 阪神も、二塁手が足りない。「2」の梅野隆太郎と「59」の藤田健斗は、どちらも捕手。背番号が素数の野手は、必要最小限の8人しかいない。その他は、外野トリオが「53」の島田海吏と「5」の近本光司と「7」の糸井嘉男、内野の両コーナーが「31」のジェフリー・マルテと「3」の大山悠輔、遊撃は「67」の髙寺望夢だ。

 一方、横浜DeNAは阪神と同じ8人ながら、こちらはうまくいきそう。捕手が「29」の伊藤光、外野3人は「7」の佐野恵太と「37」の楠本泰史と「61」の蝦名達夫。内野は右から、「23」のタイラー・オースティン、「2」の牧秀悟、「5」の倉本寿彦、「31」の柴田竜拓だ。オースティンは外野手登録だが、メジャーリーグでは一塁がメインだった。

 全員の背番号が素数のラインナップが、これまでに実現しているかどうかは不明。ご存じの方がいらっしゃれば、教えてください。

 なお、素数を背負う選手の人数からすると、現時点で可能性がある5球団のうち、千葉ロッテと東京ヤクルトは、昨シーズン、背番号が素数ではない選手が1人ずつ、全試合に先発出場している。「8」の中村奨吾と「55」の村上宗隆だ。2015~16年の2シーズン、中村の背番号は、素数の「23」だった。

筆者作成
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ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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