2人のパ・リーグ奪三振王、千賀滉大と山本由伸の「奪三振率」。どちらも高水準だが、上だったのは…
昨シーズン、千賀滉大(福岡ソフトバンクホークス)と山本由伸(オリックス・バファローズ)は、ともに149三振を奪い、最多奪三振のタイトルを分け合った。2人とも18試合に先発し、二桁奪三振は、千賀が6試合、山本は5試合。1試合の最多は、千賀が13奪三振、山本は14奪三振だった。
イニングは、千賀が121.0、山本は126.2なので、9イニング平均の奪三振率(K/9)は、イニングの少ない千賀が上だ。それぞれ、11.08と10.59となる。
その一方で、対戦した全打者(延べ人数)に占める奪三振の割合(K%)は、山本が千賀を上回る。千賀の29.6%(149/503)に対し、山本は30.2%(149/494)だ。
もっとも、どちらも差はわずか。また、他の投手と比べると、この2人は突出している。パ・リーグで規定投球回に達した、千賀と山本を除く6人のなかに、K/9が8.00以上は皆無。K%が21.0%以上もいない。100イニング以上の15人を対象としても、同様だ。奪三振数と同じく、K/9もK%も3位のドリュー・バーヘイゲン(北海道日本ハムファイターズ)は、9.27と25.3%。トップ2とは開きがある。
セ・リーグのトップ2は、K/9が9.10の森下暢仁(広島東洋カープ)と8.96の大野雄大(中日ドラゴンズ)、K%は26.5%の大野と25.6%の森下だ。こちらも、K/9とK%の1位は一致せず、100イニング以上の11人でも、トップ2は変わらない。
千賀のK/9とK%は前から高く、2019年は11.33と30.2%を記録した。それに対し、山本は2020年に急上昇。初めて規定投球回に到達した2019年は7.99と23.0%で、その前の2シーズンは、さらに低かった。
2人の「奪三振ショー」は、まだ実現していない。昨シーズン、千賀と山本は4試合で投げ合ったが、どちらか一方の二桁奪三振すらなかった。千賀の奪三振は、9、9、6、9、山本は、5、6、7、7だった。彼らが同じ試合に揃って先発登板したのは、キャリアを通してもこの4度だけだ。今シーズン、山本は3月26日の開幕戦に続き、2カード目の福岡ソフトバンク戦(3月30日~4月1日)に投げる予定だが、調整が遅れている千賀は、いつがシーズン初登板になるのか、はっきりしていない。
なお、2つの指標、K/9とK%については、先月、こちらでもう少し詳しく書いた。