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本塁打王を「獲得していない」選手の通算本塁打ランキング。トップ3は500本以上、中田翔は29位

宇根夏樹ベースボール・ライター
和田一浩(左)と高橋由伸 August 21, 2004(写真:ロイター/アフロ)

 昨シーズン、中田翔(北海道日本ハムファイターズ)は108打点を挙げ、2014年(100打点)と2016年(110打点)に続き、3度目の打点王を獲得した。だが、初の本塁打王には、惜しくも届かなかった。31本のホームランを打ち、それまで自己最多だった2015年を1本上回ったものの、浅村栄斗(東北楽天ゴールデンイーグルス)と1本差の2位に終わった。

 過去に2度、中田は本塁打王と3本差のシーズンを経験している。2012年の24本塁打は、中村剛也(埼玉西武ライオンズ)と3本差。その翌年の28本塁打も、チームメイトのミチェル・アブレイユと3本差だった。

 本塁打王を獲得していない通算250本塁打以上の30人中、本塁打王と3本差以内のシーズンが3度あるのは、中田だけだ。次いで多いのは、清原和博原辰徳加藤英司池山隆寛の2度ずつ。清原は1995年(25本)が3本差、1996年(31本)は1本差だった。原は1982年(33本)も1988年(31本)も2本差。加藤も原と同じく、1975年(32本)と1979年(35本)のどちらも2本差だ。1979年は、ホームランがあと2本多ければ、三冠王となっていた(それについては「「三冠王」に迫った打者たち。二冠&1厘差未満の打率2位や1打点差の打点2位、2本差の本塁打2位も」で書いた)。池山は原と並んだ1988年(31本)が2本差、1990年(31本)は3本差。3本差以内のシーズンが1度の9人のなかでは、高橋由伸が2007年(35本)に1本差で本塁打王を逃した。

 ちなみに、1996年のパ・リーグで清原の本塁打王を阻んだのは、オリックス・ブルーウェーブのトロイ・ニールだ。その前年は、福岡ダイエーホークスの小久保裕紀(28本)が本塁打王を獲得し、ニール(27本)が2位、清原(25本)は3位タイに位置した。2007年のセ・リーグでは、横浜ベイスターズの村田修一が高橋を1本上回った。

筆者作成
筆者作成

 30人のうち、松田宣浩(福岡ソフトバンク)と福留孝介(中日ドラゴンズ)と中田は現役選手なので、これから本塁打王を獲得し、このランキングから姿を消すかもしれない。もっとも、松田は37歳、福留は43歳だ。今シーズンの序盤には、それぞれ38歳と44歳となる。ゼロではないとはいえ、本塁打王の可能性は低い。一方、中田は4月に誕生日を迎えても32歳。昨シーズンの打撃からしても、本塁打王のチャンスは、まだありそうだ。

 なお、本塁打王なしで通算504本塁打の2人のうち、衣笠祥雄は1976年に盗塁王を獲得した。この30人のなかでは、通算本塁打で中田に抜かれた井口資仁も、2001年と2003年に盗塁王となっている。

 シーズン45本塁打以上でタイトルを逃した選手については、こちらで書いた。

45本以上のホームランを打ちながら「本塁打王」になれなかった選手。最多は50本塁打の…

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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