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エンジェルスが獲得した2人の「イグレシアス」は、同じ母国で誕生日は1日違い

宇根夏樹ベースボール・ライター
ライセル・イグレシアス(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ロサンゼルス・エンジェルスは、12月初旬に2件のトレードを成立させ、遊撃手とクローザーを、それぞれ、ボルティモア・オリオールズとシンシナティ・レッズから手に入れた。その2人は、ホゼ・イグレシアスライセル・イグレシアスだ。

 この2人が同じチームでプレーするのは、2019年のレッズに続き、2度目となる。彼らに限らず、同じラストネーム――イグレシアスの場合は父方の姓――を持つ選手がチームメイトになるのは、そう珍しいことではない。前に「外野を守るのは3人ともガルシア。メジャーリーグ初の椿事を生んだのは「出産」だった」で紹介したような例もある。

 ただ、ベースボール・リファレンスによると、これまでにメジャーリーグでプレーしたイグレシアスは、この2人しかいない。彼らの間に血縁関係はないが、どちらもキューバで生まれた。しかも、生年月日は1日しか違わない。ホゼが1990年1月5日、ライセルは1990年1月4日だ。ホゼは2008年、ライセルは2013年に亡命した。

 今オフ、エンジェルスからは、遊撃手のアンドレルトン・シモンズがFAになった。ホゼはその後任だ。また、近年のエンジェルスはなかなかクローザーが固定できず、ブルペン全体もパッとせず。今シーズンのセーブ失敗は、リーグ最多の14度を数えた。

 数日前に「エンジェルスは遊撃をグレードアップせず!? 名手の後任に獲得したのは…」で書いたとおり、前任のシモンズと比べ、ホゼが大きく勝るとは思えないが、少なくとも大幅なグレードダウンではない。ライセルの加入は、間違いなくブルペンの向上につながるはずだ。

 もっとも、どちらのイグレシアスも、来シーズンが終わるとFAになる。彼らがエンジェルスでチームメイトとして過ごすのは、1度目と同じように、1シーズンだけかもしれない。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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