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東京ヤクルトに入団したホセ・オスナの「ベスト・ゲーム」はこれ!? 1試合に3度の…

宇根夏樹ベースボール・ライター
ホセ・オスナ Jul 29, 2020(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 東京ヤクルトスワローズに入団したホセ・オスナ――個人的にはオスーナの方がしっくりくるが、ここでは東京ヤクルトの表記に従う――が期待されているのは、守備よりも打撃だろう。ただ、メジャーリーグ時代の「ベスト・ゲーム」は、守備で活躍したこの試合かもしれない。

 2017年7月6日、メジャーリーグ1年目だったオスナは、ピッツバーグ・パイレーツの「2番レフト」として、スターティング・ラインナップに名を連ねた。そして、打席では4打数0安打ながら、守備で3補殺を記録した。しかも、最初の2つは連続だ。2回裏、フェンスを直撃して跳ね返った打球を捕ったオスナは、二塁へ送球し、打った選手をアウトにした。続いて、手前のファウルライン近くに落ちた打球もすかさず二塁へ投げ、こちらも刺した。最後は7回裏。今度は左中間から二塁へ送球し、またもやアウトに仕留めた。

 当時のイライアス・スポーツ・ビューローによると、ルーキーによる1試合3度の外野補殺は、1994年7月22日にライトを守った、カリフォルニア・エンジェルスのジム・エドモンズ以来。ヒットを打って二塁を狙った選手を2人続けて刺したのは、2001年8月23日に記録した、ミネソタ・ツインズのトリ・ハンター以来だという。

 補足すると、エドモンズのメジャーデビューは、前年の1993年。この時に刺したのは、二塁で2人、ホームで1人だった。また、当時のハンターはメジャーリーグ5年目。センターから二塁へ送球し、2人続けてアウトにした。エドモンズはゴールドグラブを8度受賞し、ハンターはこの年から9年続けて選出された。

 もっとも、来シーズン、オスナが外野を守る機会はそう多くないかもしれない。三塁と一塁に次ぐのではないだろうか。

 ちなみに、メジャーリーグ時代のオスナは、1試合3本塁打のみならず、1試合2本塁打も記録していない。マイナーリーグでも、1試合最多は2本だ。ただ、2019年の代打本塁打5本は両リーグ最多。この年は、2登板も記録している。

 なお、来シーズン、オスナとチームメイトになるサイ・スニードについては、入団が決まる前にこちらで書いた。

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ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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