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福留孝介に続き、五十嵐亮太も「4ディケイド・プレーヤー」の仲間入り

宇根夏樹ベースボール・ライター
五十嵐亮太はメジャーリーグでも2010~12年に投げた AUG 12, 2012(写真:ロイター/アフロ)

 今シーズン限りで選手生活を終える五十嵐亮太(東京ヤクルトスワローズ)が、引退試合として10月25日に登板し、(引退試合についての是非はさておき)4ディケイド・プレーヤーとなった。1990年代、2000年代、2010年代、2020年代のいずれも、一軍の試合に出場。現役選手では、福留孝介(阪神タイガース)もそうだ。2人とも、1999年にデビュー(一軍の試合に初めて出場)した。

 4ディケイド・プレーヤーを探したところ、福留と五十嵐を含め、14人が見つかった(この他にもいれば、教えてください)。

筆者作成
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 通算出場が4試合でも、4ディケイド・プレーヤーにはなれる。例えば、1999年と2000年に1試合ずつ出場し、18シーズン(2001~18年)のブランクを経て2019年と2020年に再び1試合ずつ出場すれば、4ディケイドだ。けれども、そんなことはまず起きない。

 一方、キャリア(在籍年数ではなく実働年数)が長くても、それが4ディケイドにわたるには、基本的には巡り合わせが必要だ。リストの14人中9人は、ディケイドの最終年にデビューしている。それに対し、今シーズンにデビューした選手が4ディケイド・プレーヤーとなるのは、不可能に近い。ここから一軍出場を30シーズン続けても、2020年代(2020~29年)、2030年代(2030~39年)、2040年代(2040~49年)の3ディケイド。工藤公康山本昌中嶋聡が記録した歴代最多の29シーズンを上回っても、4ディケイドにはならない。

 また、数少ない4ディケイド・プレーヤーのなかでも、石井琢朗は異例だ。最初の3シーズン、1989~91年は投手だった(当時の登録名は石井忠徳)。従って、投手としては、1980年代と1990年代の2ディケイド、野手としては、1990年代、2000年代、2010年代の3ディケイドだ。

 2020年代を含む4ディケイド・プレーヤーは、これから3人に増えるかもしれない。今シーズンは無理にしても、来シーズン以降に復帰すれば、松坂大輔(埼玉西武ライオンズ)がそうなる。福留と五十嵐と同じく、松坂も1999年にデビューした。

 なお、現役選手のデビュー年については、こちらで書いた。

NPBに「20世紀デビュー」の現役選手は4人、「21世紀生まれ」は40人以上

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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