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両リーグとも前年と同じ投手が防御率1位なら、何年ぶり何度目!? 現時点のトップは山本由伸と大野雄大

宇根夏樹ベースボール・ライター
直近の登板は、山本が8イニングを投げて自責点1、大野は完封(写真:GYRO PHOTOGRAPHY/アフロイメージマート)

 昨シーズン、山本由伸(オリックス・バファローズ)と大野雄大(中日ドラゴンズ)は、防御率1.95と2.58をそれぞれ記録し、最優秀防御率のタイトルを獲得した。今シーズンも、この2人は各リーグの防御率1位に位置している(10月16日時点)。防御率は2.18と1.92だ。

 2リーグ制となった1950年以降、2年以上続けてリーグ・ベストのシーズン防御率を記録した投手は、12人を数える。21世紀に入ってからは、2003~04年の松坂大輔(現・埼玉西武ライオンズ/2003年は斉藤和巳とタイ)、2009~10年のダルビッシュ有(現シカゴ・カブス)、2012~13年の前田健太(現ミネソタ・ツインズ)、2016~18年の菅野智之(読売ジャイアンツ)の4人。最後の菅野は、1956~58年の稲尾和久に続く、2人目の3年連続だ。

筆者作成
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 また、1957~58年は、両リーグとも2年続けて同じ投手が最優秀防御率のタイトルを手にした。パ・リーグが稲尾、セ・リーグは金田正一だ。今シーズン、山本と大野がどちらも防御率リーグ1位なら、62年ぶり2組目となる。

 山本の2年連続は、かなり可能性が高い。現時点のパ・リーグ2位は、防御率2.95の涌井秀章(東北楽天ゴールデンイーグルス)。山本とは77ポイントの差がある。84イニング以上を投げていて――84イニング+4登板×9イニング=120イニング(規定投球回)――防御率が涌井より低い投手は何人かいるが、2.50未満は皆無だ。

 一方、大野の1位は僅差。2位の菅野は防御率2.02、3位の西勇輝(阪神タイガース)は防御率2.05なので、いずれも大野とは15ポイント離れていない。84イニング以上には、98.2イニングで防御率2.28の森下暢仁(広島東洋カープ)と89.2イニングで防御率2.21の大貫晋一(横浜DeNAベイスターズ)もいる。

 なお、菅野が最優秀防御率のタイトルを獲得すれば、2014年と2016~18年に続く5度目だ。こちらは、歴代2位で並んでいる工藤公康(1985、87、93、99年)を抜き、最多の稲尾(1956~58、61、66年)に並ぶ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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