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「0勝3敗からリーグ優勝」は過去に1度しかないが…。アストロズは3連敗から2連勝中

宇根夏樹ベースボール・ライター
マーティン・マルドナード(左)とカルロス・コレイア Oct 15, 2020(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 0勝3敗と追い込まれたヒューストン・アストロズが、第4戦に続いて第5戦も勝利を収めた。

 リーグ・チャンピオンシップ・シリーズが7試合制(4戦先勝)となった1985年以降、第1戦から3連敗を喫したのは、今年のアストロズが15チーム目だ。過去の14チーム中9チームは第4戦も敗れ、スウィープされた。

 ちなみに、現在、アストロズと対戦しているタンパベイ・レイズには、それを経験している選手がいる。今年1月にトレードされるまでセントルイス・カーディナルスにいたランディ・アロザレイナは、昨年のポストシーズンに出場した。もっとも、当時のアロザレイナはレギュラーではなく、4試合で終わったリーグ・チャンピオンシップ・シリーズは、代打で2度起用されただけ。死球と三振を記録した。

 残る5チームは第4戦に勝利を収め、スウィープを免れた。そのうちの3チーム、1998年のアトランタ・ブレーブス、1999年のニューヨーク・メッツ、2004年のボストン・レッドソックスは、第5戦も勝ち、2勝3敗として第6戦を迎えた。ただ、第6戦も白星を挙げ、3勝3敗の五分に戻したのは、2004年のレッドソックスしかない。同じく7試合制のワールドシリーズを含めても、このチーム数は増えない。

筆者作成
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 もっとも、2004年のレッドソックスは、第4戦から第7戦まで4連勝してリーグ優勝を成し遂げ、ワールドシリーズではカーディナルスを4勝0敗で破った。

 当時のレッドソックスには、現ロサンゼルス・ドジャース監督のデーブ・ロバーツがいた。1点ビハインドで迎えた第4戦の9回裏、四球で出塁したケビン・ミラーと交代したロバーツは、初球に盗塁を決め、その直後にセンターへ抜けるヒットで同点のホームを踏んだ。

 今年のアストロズが連勝を4に伸ばしてリーグを制すれば、ワールドシリーズでロバーツ監督が率いるドジャースと対戦する可能性もある。だが、そうなるには、こちらも大逆転が必要だ。ドジャースはリーグ・チャンピオンシップ・シリーズの第1戦と第2戦、第4戦を落とし、1勝3敗でアトランタ・ブレーブスに王手をかけられている。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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