Yahoo!ニュース

ワールドシリーズ出場の可能性がある「NPB経験者」は、横浜DeNAでチームメイトだった2人と…

宇根夏樹ベースボール・ライター
クリス・マーティン(ブレーブス)Oct 12, 2020(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 今秋のワールドシリーズに進出するチームは、ア・リーグがタンパベイ・レイズかヒューストン・アストロズ、ナ・リーグはロサンゼルス・ドジャースかアトランタ・ブレーブスのどちらかとなった。この4チームのうち、ドジャースを除く3チームには、日本プロ野球の経験者が1人ずついる。

 2014年に横浜DeNAベイスターズでチームメイトだった筒香嘉智(レイズ)とユリ・グリエル(アストロズ)については、先日、「アストロズの連敗は「元・横浜DeNAのグリエル」が要因!? 筒香は2試合とも出番なし」で書いた。あと1人は、2016~17年に北海道日本ハムファイターズで投げ、22セーブと48ホールドを記録したクリス・マーティン(ブレーブス)だ。

 2017年のオフに北海道日本ハムを退団したマーティンは、2年400万ドルでテキサス・レンジャーズに入団し、昨夏のトレードでブレーブスへ。そのオフにFAとなり、ブレーブスと2年1400万ドルの再契約を交わした。

 2014~15年の計40登板で防御率6.19に対し、2018年は46登板で防御率4.54、2019年は58登板で防御率3.40を記録した。そして、今シーズンは8月の食道狭窄による離脱を挟み、19登板で防御率1.00。投球内容も上々だった。19登板目の9月27日は、マウンドでウォームアップの数球を投げたところで下半身に違和感を訴え、打者と対戦せずに降板したが、幸いにも大事には至らなかった。ポストシーズンではここまで4試合に登板し、ディビジョン・シリーズの第1戦は1点を取られたものの、他の3試合はそれぞれ1イニングを完璧に封じ、3人で終わらせた。ウィル・スミスとともに、クローザーのマーク・マランソンにつなぐ役目を果たしている。

 筒香は日本シリーズ(2017年)、グリエルはワールドシリーズ(2017年と2019年)に出場している。けれども、マーティンはどちらも経験していない。北海道日本ハムは2016年に日本シリーズで優勝したが、マーティンはシーズン終盤に左足首を痛め、クライマックスシリーズには登板したものの、日本シリーズの前に帰国した。

 なお、今年のワールドシリーズに出場する日本プロ野球の経験者は、皆無ということもあり得る。故障がなくてもだ。ア・リーグはレイズかアストロズがワールドシリーズへ進むが、筒香はロースターから外される可能性もある。

 現時点で、ア・リーグのリーグ・チャンピオンシップ・シリーズは、レイズが2勝、アストロズは2敗。1日遅れてスタートしたナ・リーグのリーグ・チャンピオンシップ・シリーズは、ブレーブスが第1戦に勝利を収めた。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

宇根夏樹の最近の記事