バウアーが受賞なら「球団初のサイ・ヤング賞投手」に。受賞者ゼロは4球団。最も長く途絶えているのは…
30球団のうち、シンシナティ・レッズ、テキサス・レンジャーズ、マイアミ・マーリンズ、コロラド・ロッキーズの4球団からは、これまでに一人も、サイ・ヤング賞の受賞者が出ていない。
なかでも、レッズの球史は、サイ・ヤング賞の歴史よりも長い。サイ・ヤング賞が始まったのは1956年(1966年までは両リーグで1人選出)。その時点で、レッズの球史は半世紀を超えていた。レンジャーズは1961年が最初のシーズン、マーリンズとロッキーズは1993年だ。創設時、レンジャーズはワシントン・セネタース(~1971年)、マーリンズはフロリダ・マーリンズ(~2011年)だった。
ただ、この秋は、レッズに初のサイ・ヤング賞投手が誕生するかもしれない。トレバー・バウアーは、11試合に先発して73.0イニングを投げ、防御率1.73を記録している。9月25日の時点で、ナ・リーグに防御率1点台(50イニング以上)は他に皆無だ。また、バウアーの奪三振は100。こちらも、ナ・リーグでは最も多い。
一方、今シーズンのレンジャーズ、マーリンズ、ロッキーズに、候補となるような成績の投手は見当たらない。「打者天国」をホームとするロッキーズの場合、標高の高いコロラドから移転しない限り、サイ・ヤング賞投手の不在が永遠に続いても、不思議ではない。
この4球団を除く26球団からは、それぞれ2人以上のサイ・ヤング賞投手が出ている。最多は、ロサンゼルス・ドジャースの8人。延べ12人も、最も多い。サンディ・コーファックスとクレイトン・カーショウが、3度ずつ受賞している。
ブランクが最も長いのは、ボルティモア・オリオールズだ。現時点では、1980年のスティーブ・ストーンが最後となっている。また、ミルウォーキー・ブルワーズは、1998年にナ・リーグへ移って以来、受賞者が出ていない。ヒューストン・アストロズは、ナ・リーグとア・リーグで2人ずつ。それぞれ、1986年のマイク・スコットと2004年のロジャー・クレメンス、2015年のダラス・カイクル(現シカゴ・ホワイトソックス)と2019年のジャスティン・バーランダーだ。
なお、サイ・ヤング賞については、こちらで書いた。