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「開幕10連勝」の後、無敗のままシーズンを終えたのは田中将大と誰!? 8人は5敗以上。菅野智之は…

宇根夏樹ベースボール・ライター
田中将大 MARCH 2, 2013(写真:ロイター/アフロ)

 今シーズン、菅野智之(読売ジャイアンツ)は、黒星を喫することなく10勝を挙げている。開幕10連勝は、見落としがなければ、菅野が史上23人目(26度目)だ。3人が2度ずつ。ビクトル・スタルヒンは1938年の春と秋、御園生崇男は1937年の秋とその10年後、村田兆治は1981年と1985年だ。1965年の南海ホークスでは、林俊彦新山彰忠がそれぞれ12連勝と10連勝。この2人に加え、杉浦忠も8連勝を記録した。

筆者作成
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 菅野を除く延べ25人のうち、1937年秋の御園生、1942年の藤本英雄、1981年の間柴茂有、2013年の田中将大(現ニューヨーク・ヤンキース)は、無敗のままシーズンを終えた。一方、8人は5敗以上。1948年の中谷信夫は、黒星が二桁に達した。2009年の川井雄太は、7月までが11勝0敗、8月以降は0勝5敗だった。

 菅野の場合、レギュラーシーズンが短縮されているため、今後も勝ち続けたとしても、田中のシーズン24連勝には届きそうにない。だが、歴代2位の15連勝、1981年の間柴と2005年の斉藤和巳を上回る可能性はある。

 また、連勝がどこかで止まっても、黒星をいくつも重ねることは考えにくい。ここまでの12登板中、3失点以上は2登板目の6月26日しかない。この試合も、崩れたのは1イニングだけ。6回裏に5点を取られ、イニングを終えることができずに降板したものの、その前の5イニングは無失点だった。ちなみに、読売は菅野が登板した12試合とも、勝利を収めている。

 なお、開幕10連勝以上のシーズンに、最多勝のタイトルを手にしたのは、延べ6人。1938年春と秋のスタルヒン、1981年の村田、1982年の北別府学、2004年の岩隈久志(現・読売)、2013年の田中がそうだ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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