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まさにドッグ・ファイト!? 地区2位を争う2チームが、残り19試合中9試合で対戦

宇根夏樹ベースボール・ライター
カイル・ヒガシオカ(左)とトラビス・ショウ Sep 7, 2020(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 9月7日、トロント・ブルージェイズは、12対7でニューヨーク・ヤンキースを下した。6回表が終わった時点では2対6とリードされていたが、その裏に延べ13人が打席に入り、一気に10点を挙げて逆転した。

 ブルージェイズ(23勝18敗)はア・リーグ東地区の2位、ヤンキース(21勝20敗)は3位に位置している。その差は2ゲームだ。

 今シーズンは、地区1位だけでなく2位も、勝率に関係なくポストシーズンへ進出する。さらに、それ以外のリーグ9チームのなかで勝率の高い2チームが、ワイルドカードをゲットし、ポストシーズンへ進む。現時点で、ヤンキースはワイルドカードの2枠目にいるが、すぐ下のボルティモア・オリオールズ(ア・リーグ東地区4位/19勝21敗)との差は1.5ゲームしかない。ちなみに、地区首位のタンパベイ・レイズ(28勝14敗)はブルージェイズに4.5ゲーム差をつけていて、最下位のボストン・レッドソックス(14勝28敗)はオリオールズと6ゲーム離れている。

 注目すべきは、今後のスケジュールだ。ブルージェイズとヤンキースは、同地区にもかかわらず、対戦したのは9月7日が初めてだった。どちらも、シーズンは残り19試合。そのうちの9試合が直接対決だ。

 この9試合で、一方が大きく勝ち越してポストシーズン進出を決め、もう一方はポストシーズンを逃すのだろうか。あるいは、両チームが潰し合い、オリオールズが漁夫の利を得る可能性もある。ワイルドカードの行方にも、影響が出てきそうだ。

 なお、ブルージェイズとヤンキースの対戦は、ヤンキースとニューヨーク・メッツのような「サブウェイ・シリーズ」ではないが、ニューヨーク州が舞台だ。今シーズン、ブルージェイズは、トロントのロジャース・センターで試合を行うことをカナダ政府に認められなかった。新型コロナウイルスが理由だ。30チームのなかで唯一、ブルージェイズは「国外」に本拠を構える。そのため、紆余曲折を経て、ニューヨーク州バッファローのセイレン・フィールドでホーム・ゲームを開催している。この球場は、ブルージェイズ傘下のバッファロー・バイソンズ(AAA)の本拠地だ。

 ここからの9試合は、9月8日~9日の2試合がセイレン・フィールド、15日~17日の3試合がヤンキー・スタジアム、そして、21日~24日の4試合が再びセイレン・フィールドだ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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