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同年に「本塁打王」&「併殺打王」はこれまで何人!? 今シーズンの中田翔はどちらもリーグ1位

宇根夏樹ベースボール・ライター
中田翔 MARCH 14, 2017(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)

 8月27日、中田翔(北海道日本ハムファイターズ)は、シーズン21本目のホームランを打った。この本数は、両リーグ最多。2位に3本差をつけている。一方、併殺打も10本を数え、こちらは11本の宮崎敏郎(崎の右上は大ではなく立/横浜DeNAベイスターズ)に次ぎ、パ・リーグでは最も多い。

 すべての場面ではないが、無死一塁あるいは1死一塁などにおいて、ホームランと併殺打は対極の結果、と言えよう。攻撃側にとっては、ベストとワースト。守備側からすると、その逆だ。

 調べたところ、2リーグ制がスタートした1950年以降、同じシーズンに本塁打と併殺打のどちらもリーグ最多は、8人が延べ10度、記録している。

筆者作成
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 彼らは、いずれも右打者だ。ブーマー・ウェルズは、1989年に34併殺打のシーズン記録を打ち立てた。ブーマーに抜かれるまでの最多は、1973年に野村克也が記録した31本。シーズン30本以上は他におらず、野村の通算378本は歴代1位に位置する。

 中田も右打者。2011年以降、併殺打が二桁に達しなかったシーズンは2012年(8本)しかなく、2018年は両リーグ最多タイの24本を記録した。ちなみに、2018年のホームランは、併殺打とほぼ同数の25本だった。

 もっとも、本塁打王&併殺打王の延べ10人中8人は、同時に打点王を獲得している(1965年の野村と1984年のブーマーは、首位打者を含む三冠王)。残る2人も、1956年の青田昇(65打点)はリーグ3位、1989年のラリー・パリッシュ(103打点)は2位だ。併殺打が多くても、走者がいる時に打てなかったというわけではない(ことが窺える)。

 今シーズンの中田も、両リーグ最多の67打点を挙げている。2位とは4打点差だ。

 中田のホームランは、ソロが6本、2ランが8本、3ランが7本。2ランと3ランの計15本中5本は、無死あるいは1死で一塁に走者がいる時(他の走者の有無は問わず)に打ったものだ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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