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大野雄大の前に「3試合連続完投勝利&二桁奪三振」を記録した投手たちの4試合目は…

宇根夏樹ベースボール・ライター
江夏豊 1977(写真:岡沢克郎/アフロ)

 大野雄大(中日ドラゴンズ)は、過去3登板とも、二桁の三振を奪って完投勝利を記録している。これを4試合連続とすれば、1990年の野茂英雄に肩を並べる。

 3試合連続の完投勝利&二桁奪三振は、野茂の前後に、江夏豊(1971年)、槙原寛己(1986年)、紀藤真琴(1994年)も記録している。

 この3人のストリークは、3試合連続で止まった。江夏の場合、4試合連続がかかった試合は、完投、勝利、二桁奪三振のいずれも記録できなかった。槙原は完投と二桁奪三振が途切れ、紀藤は完封勝利ながら、奪三振は4にとどまった。

筆者作成
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 大野は8月23日の横浜DeNAベイスターズ戦で、マウンドに上がる。江夏の4試合連続を阻んだのは、現・横浜DeNAの大洋ホエールズだが、これは今からほぼ半世紀前のことだ。

 なお、この年の江夏は、3試合連続の完投勝利&二桁奪三振を記録する前にも、あわやあと一息というところまで迫った。7月27日の大洋戦、8月6日のヤクルトスワローズ戦、8月10日の広島東洋カープ戦で、3試合続けて完投勝利。奪三振はそれぞれ、13、10、9だった。3試合目にあと1三振多く奪っていれば、こちらも、3試合連続の完投勝利&二桁奪三振となっていた。

 今シーズン、大野は4球団に対して投げているが、そこに横浜DeNAは含まれていない。横浜DeNA戦の登板は、昨年の9月8日が最後だ。この試合で、大野は11三振を奪い、白星を挙げた。完投まではあと2アウト。ネフタリ・ソトに2ラン本塁打を打たれたところで降板したが、その時点でも3点リードしていたので、続投すれば、完投勝利&二桁奪三振は十分にあり得た。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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