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オールスターの1試合で「同じ球団の選手が打ったホームラン」の合計は、昨年の阪神の3本が最多…ではなく

宇根夏樹ベースボール・ライター
山本浩二 NOVEMBER 30, 2007(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)

 昨年のオールスター・ゲームは、2試合で計10本のホームランが飛び交った。そのうちの4本は、阪神タイガースの選手によるものだ。東京ドームで行われた第1戦に原口文仁、舞台を阪神甲子園球場へ移した第2戦に、近本光司、原口、梅野隆太郎の3人が打った。

 第2戦のように、同じ球団の3人が同じ試合でホームランを打つのは、史上3度目。最初は1979年の第3戦に、ロッテ・オリオンズの白仁天レロン・リー有藤道世、2度目は2004年の第1戦に、福岡ダイエーホークスの松中信彦城島健司フリオ・ズレータが記録した。1979年の第3戦は明治神宮野球場、2004年の第1戦はナゴヤドームだったので、チームメイトの3人が本拠地としている球場でホームランは、昨年の近本と原口と梅野が史上初となる。ちなみに、昨年の第1戦にホームランを打ったパ・リーグの3人は、前年までチームメイトだった。埼玉西武ライオンズの森友哉山川穂高のホームランの間に――正確に言うなら山川の直前に――前・埼玉西武の浅村栄斗(東北楽天ゴールデンイーグルス)が打った。

 もっとも、同じ球団の選手が1試合に打ったホームランの合計は、3本が最多ではない。1975年の第1戦に、広島東洋カープの山本浩二衣笠祥雄が2本ずつ打っている。彼らは「3番センター」と「6番・三塁」として出場し、どちらも2打席連続アーチ。1回裏に山本と衣笠、2回裏に山本、3回裏に衣笠が打った。山本は2ランと3ラン、衣笠はソロが2本だった。今から45年前の、7月19日のことだ。

 なお、同じ球団の選手による合計3本塁打は、2人によるもの、一方が2本でもう一方が1本も、3度を数える。また、同じ球団の選手とは形容しないが、1人で3本も、2度ある。1本ずつ3人(3度)と2本ずつ2人(1度)を含めた9度のうち、本拠地で記録したのは、昨年の第2戦が2度目。1978年の第1戦は、広島東洋のエイドリアン・ギャレットが広島市民球場で3本のホームランを打った。

筆者作成
筆者作成

 ギャレットら、本拠地開催のオールスター・ゲームでMVPを受賞した選手については、昨年、近本がそうなる前に、こちらで書いた。

本拠地のオールスターでMVPは16人。今年は坂本勇人、丸佳浩、原口文仁、近本光司ら11人にチャンス

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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