ウルトラレアなサイクル安打。「ナチュラル・サイクル」は5度、「リバース・サイクル」は2度だが…

村松有人 MARCH 7, 2008(写真:アフロスポーツ)

 サイクル安打を達成するのに、4種類のヒットを打つ順序は、24通りある。これまでに日本プロ野球で記録された74度のサイクル安打のなかで、最も多いのは、ホームラン-単打-三塁打-二塁打(4-1-3-2)の順序だ。6度を数える。塁打の少ない方から、単打-二塁打-三塁打-ホームラン(1-2-3-4)の順に記録する「ナチュラル・サイクル」は5度。それとは順序がまったく逆の「リバース・サイクル」は2度だ。

筆者作成
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「ナチュラル・サイクル」の5人のうち、最初の藤村富美男は、これが自身2度目のサイクル安打。どちらも、サイクル安打という認識は当時なかったようだが、1948年10月2日の1度目は日本プロ野球初だ。こちらの順序は、三塁打-二塁打-単打-ホームラン(3-2-1-4)だった。

「リバース・サイクル」を最初に達成したアレックス・オチョアは、ニューヨーク・メッツでも、1996年7月3日にサイクル安打を記録している。順序は-単打-三塁打-二塁打-ホームラン(1-3-2-4)。メジャーリーグと日本プロ野球の両方でサイクル安打を達成した選手は、他に誰もいない。

 また、「リバース・サイクル」の2度は、日本プロ野球で記録されたサイクル安打の順序では、最少タイだ。二塁打-単打-三塁打-本塁打(2-1-3-4)、二塁打-単打-本塁打-三塁打(2-1-4-3)と並ぶ。

 ただ、最少ではあっても、最もレアとは言いきれない。24通りのうち、4通りの順序はまだ一度も記録されていない。二塁打-三塁打-単打-ホームラン(2-3-1-4)、三塁打-単打-二塁打-ホームラン(3-1-2-4)、三塁打-二塁打-ホームラン-単打(3-2-4-1)、三塁打-ホームラン-二塁打-単打(3-4-2-1)がそうだ。

 なお、順序ではないが、藤本博史のサイクル安打は「ウルトラレア」と呼んでも異論はあるまい。1990年7月7日の試合で、福岡ダイエーホークスの藤本は、1打席目も2打席目もアウトになった後、3打席目から6打席目まで、ホームラン-単打-三塁打-二塁打(4-1-3-2)の順に打っていった。最初の2打席ともヒットがなかったにもかかわらず、サイクル安打を達成したのは藤本だけだ。しかも、その試合は延長戦に入らず、9イニングで終わった。