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NPB2球団でそれぞれ1000安打以上は4人。それに最も近い現役選手は…

宇根夏樹ベースボール・ライター
高橋由伸(左)と和田一浩/2004年のアテネ五輪 Aug 21, 2004(写真:ロイター/アフロ)

 日本プロ野球には、2000本以上のヒットを打った選手が52人いる。そのうちの23人は、キャリアを通して1球団でプレーした。現在は千葉ロッテマリーンズにいる鳥谷敬も、現時点ではその一人に数えられる。これまでの2085本は、すべて阪神タイガースの選手として記録した。そして、今シーズンは、まだ始まっていない。

 また、彼らを含め、1球団で打ったヒットが、全本数の3分の2以上を占める選手は、37人に上る。

 一方、2球団でそれぞれ1000本以上のヒットを記録した選手も、わずかながら存在する。大杉勝男金本知憲谷繁元信和田一浩の4人がそうだ。なかでも、金本は1992~2002年に広島東洋カープで1179本、2003~12年に阪神で1360本。2球団でそれぞれ1100本以上は、彼しかいない。金本とは反対に、和田はどちらの球団でも1100本未満だ。

筆者作成
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 ちなみに、新井貴浩も金本と同じ2球団でプレーし、計2203本のヒットを打ったが、それぞれの球団で過ごした年数が大きく違うこともあって、広島東洋(1999~2007年、2015~18年)での1336本に対し、阪神(2008~14年)では867本だ。1シーズンの平均本数は、阪神時代の方が多い。

 他に、2球団でそれぞれ900本以上は、落合博満駒田徳広秋山幸二稲葉篤紀内川聖一の5人。2球団の合計が1800本以上であれば、2000本未満でも各900本以上はあり得るが、そういった選手はいない。

筆者作成
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 この5人中、内川は現役選手だ。ただ、2球団でそれぞれ1000本以上の5人目となる可能性は低い。在籍中の福岡ソフトバンクホークスでは、すでに1226本。1000本に届いていないのは、2001~10年に在籍した横浜ベイスターズ(現・横浜DeNAベイスターズ)の方だ。その本数は945本なので、1000本まではあと55本ながら、横浜DeNAへ復帰しない限り、これから福岡ソフトバンクでヒットを打っても、2球団でそれぞれ1000本以上には近づかない。

 現役選手のなかで最も近いのは、現役最年長の福留孝介(阪神)だ。1999~2007年に中日ドラゴンズで1175本を記録後、2008~12年にメジャーリーグ3球団で計498本を挟み、2013年以降は阪神で722本のヒットを打ってきた。2球団でそれぞれ1000本以上までは278本。その前に、あと103本のヒットを積み上げた時点で、NPB2000本に達する。

 なお、福留のチームメイト、糸井嘉男のヒットは、北海道日本ハムファイターズ(2007~12年)で638本、オリックス・バファローズ(2013~16年)で613本、2017年以降は阪神で373本だ。NPB2000本まではあと376本を要するが、移籍せずにここから227本を打つと、3球団でそれぞれ600本以上のヒットを記録した、史上初の選手となる。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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