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二塁打の球団記録。本塁打も二塁打も球団最多は、読売の王とあと1人…

宇根夏樹ベースボール・ライター
松原誠 1977(写真:岡沢克郎/アフロ)

 それぞれの球団で最も多くの二塁打を打った選手のうち、過半数の7人は、安打の球団記録も持つ。一方、二塁打と本塁打の両方で球団最多は、2人しかいない。読売ジャイアンツで422二塁打と868本塁打の王貞治と、大洋ホエールズ/横浜大洋ホエールズ(現・横浜DeNAベイスターズ)で405二塁打と330本塁打の松原誠だ。

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 もっとも、これは決して不思議ではない。二塁打を打てば安打も増えるが、二塁打と本塁打は同時に記録できない。なお、王は2786安打も、読売で最も多い。松原の2081安打も、石井琢朗(2307安打)に抜かれるまでは、横浜DeNAの球団記録だった(松原と石井は他球団でもプレーしたが、その本数は含んでいない)。ちなみに、王の三塁打は25本、松原は15本。三塁打の球団記録は、読売が川上哲治の99本、横浜DeNAは石井の44本だ。

 現在、その球団に在籍していて、二塁打の球団記録に最も近い現役選手は、上のリストのとおり。二塁打に限ったことではないが、今オフにトップが入れ替わった球団も少なくない。

 千葉ロッテマリーンズでは、388二塁打の福浦和也が引退し、196二塁打の鈴木大地は東北楽天ゴールデンイーグルスへ。それに伴い、190二塁打の角中勝也が1位となった。読売、阪神タイガース、横浜DeNAの3球団も同様。昨シーズンが終わった時点で、各球団の最多(現役&在籍)だった選手のうち、355二塁打の阿部慎之助は引退し、348二塁打――藤田平の球団記録まで7本――の鳥谷敬は千葉ロッテへ移籍。195二塁打の筒香嘉智はタンパベイ・レイズへ移った。

 また、中日ドラゴンズの現役最多は181二塁打の大島洋平だが、それに次ぐ平田良介との差は1本に過ぎない。通算二塁打の本数で、大島が平田を上回ったのは、今回が初めてではない。彼らはこれまで、抜きつ抜かれつしてきた。

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 他の球団記録については、こちらで書いた。

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ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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