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ニューヨークの両球団、ヤンキースとメッツでそれぞれ50本塁打以上の2人が球界を去った

宇根夏樹ベースボール・ライター
カーティス・グランダーソン Oct 30, 2015(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 先日、引退を発表したカーティス・グランダーソンは、2004年から2019年にかけて7球団でプレーした。そのなかには、ニューヨーク・ヤンキースとニューヨーク・メッツも含まれている。

 ニューヨークのブロンクスとクイーンズに本拠を置く、この2球団のどちらでもプレーした選手は、三桁を数える。ロビンソン・カノー(メッツ)や五十嵐亮太(東京ヤクルトスワローズ)もそうだ。また、今オフは、ヤンキースからFAになったデリン・ベタンセスが、メッツと1年1050万ドルで契約。メッツからFAになったルイス・アビランは、ヤンキースとマイナーリーグ契約を交わした。

 ただ、それぞれの球団で3年以上(メジャーリーグの試合に出場したシーズン)となると、ごくわずか。数えたところ、投手と野手が5人ずつだった。

筆者作成
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 ヤンキースでもメッツでも50本以上のホームランを打ったのは、3年未満の選手を含めても、グランダーソン(115本/95本)とカルロス・ベルトラン(56本/149本)の2人だけ。40本以上も、他にはダリル・ストロベリー(41本/252本)しかいない。

 ベルトランは、昨年11月にメッツの監督に就任したが、「サイン盗みスキャンダル」により、一度も指揮を執ることなく、その座を追われた。MLBの調査報告書には、2017年にヒューストン・アストロズでプレーした選手では唯一人、ベルトランの名前が記されていた。ちなみに、ヤンキースとメッツの両球団で監督を務めたのは、ケーシー・ステンゲルヨギ・ベラダラス・グリーンジョー・トーリの4人だ。ベルトランは、メッツとヤンキースだけでなく、どの球団でも采配を振ったことがない。

 監督となる機会が、ベルトランに再び巡ってくるかどうかはわからない。一方、グランダーソンは、昨年10月にニューヨークのラジオ局WFANの番組に出演した際、メッツの監督に就任する可能性について訊かれ――この時点ではまだ、グランダーソンは引退を発表していなかったが、メッツはミッキー・キャラウェイ(現ロサンゼルス・エンジェルス投手コーチ)の後任監督を探していた――「どう解任されるか見てきた。勝っていても、その座は安泰ではない」と答えている。将来はともかく、今のところ、その気はないようだ。ベルトランに代わるメッツの監督には、クオリティ・コントロール・コーチだったルイス・ロハスが就任した。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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