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ストーブリーグの連鎖反応!? 5人の捕手が早くも新契約をゲット

宇根夏樹ベースボール・ライター
マイク・ズニーノ(タンパベイ・レイズ)Aug 25, 2019(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 11月21日から26日にかけて、5人の捕手が新たな契約を手にした。ヤズマニ・グランダルはシカゴ・ホワイトソックスから4年7300万ドルの契約を得て(「1年前に4年6000万ドルを断った捕手が、より高額な契約をゲット。その裏にあったのは好成績だけでなく」)、トラビス・ダーノウは2年1600万ドルでアトランタ・ブレーブスへ。マイク・ズニーノは年俸調停を避け、1年450万ドルでタンパベイ・レイズと合意。スティーブン・ボートダスティン・ガーノウはともに1年契約で、それぞれアリゾナ・ダイヤモンドバックスとヒューストン・アストロズに入団した。ジ・アスレティックのザック・ブキャナンによると、ボートの契約は300万ドルだという。

 1週間足らずの間に起きた、これらの動きは、今オフのFA市場に出ていた最高の捕手、グランダルの球団が決まったことで、そこから連鎖反応が起きたようにも見える。

 ただ、このなかで連鎖反応と呼べそうなのは、ズニーノの契約くらいだ。レイズはダーノウとの再契約を目論んでいたようだが、申し出た契約はブレーブスに及ばなかったらしい。ダーノウを引き留めることができていれば、レイズはズニーノに来シーズンの契約を提示せず、ノンテンダーとしていたと思われる。来シーズン、ズニーノはマイケル・ペレスと併用される可能性が高い。

 ダーノウと契約したブレーブスも、グランダルの「プランB」として迎え入れたわけはない。こちらは、タイラー・フラワーズと併用の予定だ。フラワーズとスタメンマスクを分け合っていたブライアン・マッキャンは、ディビジョン・シリーズ敗退後に引退を表明した。

 また、ボートとガーノウは、あくまでも控えだ。ダイヤモンドバックスでは25歳のカーソン・ケリーが台頭していて、このままいけば来シーズンは完全に一本立ちする。アストロズからはロビンソン・チリーノスマーティン・マルドナードがFAになったが、これまでシーズン50試合に出場したことのない32歳に、スタメンマスクを任せるとは考えられない。まずはガーノウを控えとして確保しておき、ここから正捕手を手に入れるという算段だろう。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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